《地球規模で深刻化する異常な暑さ》温暖化に拍車をかける「AI」 データセンターでは情報処理の際に膨大な熱を放出、周辺の地表温度は平均で2℃上昇
「これまでは、"ラニーニャ現象"や"エルニーニョ現象"といった気候メカニズムで、日本や世界の猛暑は説明がつきました。しかし近年は、従来の自然現象の枠組みでは到底説明がつかない異常事態が、地球規模で起きています」
【写真】地球温暖化を加速させる原因!? アメリカに建設された巨大なデータセンター
こう切り出したのは、気象予報士の高塚哲広さんだ。実際、日本各地は夏本番を前にすでに危険な暑さに見舞われている。
気象庁は7月9日、「10年に1度程度しか起きないような著しい高温」となる可能性が高まっているとして、「高温に関する早期天候情報」を発表して注意を呼び掛けた。その5日後の7月14日、最高気温が35℃以上の「猛暑日」を記録した場所が今年初めて170地点に達した。
さらに世界に目を向ければ、事態はより深刻だ。
フランスは6月中旬に熱波に見舞われ、最高気温44.3℃を記録。スペインやドイツなども最高気温を更新しており、熱中症など暑さに関連する死者が欧州で2万人以上に達していると推定されている。
トルコや中央アジアなどでは、近年気温が50℃以上の日が観測されており、もはや"殺人級の酷暑"と言っていいほどだ。
「この異常な暑さの根本にあるのは、人為的な地球温暖化です。熱波や豪雨と地球温暖化の因果関係を研究している国際組織『ワールド・ウェザー・アトリビューション』は、6月に欧州を襲った熱波について"人間の活動による地球温暖化がなければ、まず起こり得なかった"と結論付けています。つまり、いま起きている異常気象は人間の手によって引き起こされたということが、科学的に裏付けられているのです」(高塚さん)
近年、地球温暖化に拍車をかける「意外な犯人」として浮上しているのがAI(人工知能)だ。例えばChatGPTやGeminiなどを利用するたび、そのリクエストは24時間稼働する巨大なデータセンターで処理される。施設内にぎっしりと詰め込まれた高性能コンピューターが、情報処理の際に膨大な熱を放出しているという。
「ケンブリッジ大学主導の研究チームによると、データセンター周辺の地表温度は平均で2℃上昇しており、一部地域では最大9℃もの上昇が確認されています。その熱の影響は最大10km先まで及ぶとされており、"データヒートアイランド効果"と名付けられて、地球温暖化を加速させているとの見方もあります」(ジャーナリスト)
世界的にデータセンターの建設が加速しており、2026年6月時点で世界全体の施設数は1万1600か所を突破。その多くはアメリカに集中しており、イギリスやドイツ、フランスといった欧州が続く。アジアでは中国とインドが市場をリードする一方、日本でも大阪府や千葉県などで稼働しているほか、北海道や福島県などでは大規模なデータセンターの建設計画が進んでいる。
そんななか、今年は春先に「エルニーニョ現象」が発生した。従来であれば、日本列島に1993年や2009年のような冷夏を招くはずの現象だが、いまは事情が違う。地球温暖化の影響で「スーパーエルニーニョ現象」へと発展し、一転して猛暑をもたらす可能性が高まっているという。
気象庁は今年4月、気温が40℃を超える日を「酷暑日」と名付け、極めて危険な暑さを指す新たな指標として制定したばかりだ。
「酷暑日は現段階ではまだ記録されていませんが、今後、日本各地で頻繁に発生する可能性があります。AIなどによる人為的な気候変動によって気温が底上げされていることを考えれば、日本でも50℃を超える日が訪れても不思議ではありません」(高塚さん)
※女性セブン2026年7月30日・8月6日号
