《顔出しせずにバストのみ撮影》リストラされた女性会社員が“自撮りで稼ぐ”活動のパイオニアになった理由「競泳水着はかなり評判が良かった」
XがまだTwitterという名称だった時代からSNSに親しんできた人は、"リストラおっぱい"というフレーズを覚えているかもしれない。顔出しは一切ナシ、バストのみの自撮り画像を投稿し続け、今で言うインフルエンサー的な存在として人気を博した。
【エッセイ漫画を読む】『7年間、おっぱいの自撮りで暮らしていた話』
彼女は現在、"なんのなの丸"(旧名nano)の名義で、当時の経験を振り返るエッセイ漫画『7年間、おっぱいの自撮りで暮らしていた話』をSNS上で連載している。(なんのさんのX:@nanoppai_jp)
普通の会社員だったはずのなんのさんはいかにして"自撮りで稼ぐ"活動のパイオニアとなったのか。本人にインタビューした。【全3回の第1回】
──2017年春からX(旧Twitter)で自撮りの投稿をスタートしたと聞きました。
「もともとたまに日常について呟く程度だったんですが、胸の大きな女の子たちが自撮りを投稿する"界隈"の存在を知り、興味を持ったのがきっかけです。あとはその頃、会社をクビになってしまい……。ちょっとヤケだったのかもしれません(苦笑)」
──スタイルには自信があったんですか?
「全くそうではなく、けっこう複雑な感情を持っていましたね……。子供の頃に発育が良いせいでからかわれた経験があり、大人になってからは褒められる場面もあったものの、自分の胸はコンプレックスでした。
だから複雑な思いは抱きつつも、自撮りを投稿する女の子たちがオフ会をしたり、同人誌を出したりして楽しそうに交流しているのを見て、『私も友達になれるのかな?』と興味が湧いてきました。
これでバズろうとかは全然考えず、軽い気持ちで自分も投稿してみたんですが、たった2か月でフォロワーがいきなり2万人増えました」
──2万人!
「映像や漫画などいろいろ創作活動をしてきましたが、それだけの反応をもらったのは始めてだったので、やっぱり嬉しさは感じますよね。もともとコスプレへの憧れもあったので、『どういうふうに撮れば、もっと喜んでもらえるだろう?』と衣装などを試行錯誤するようになりました」
──顔は写さず、バストのみというスタイルを貫いていましたよね。
「身バレが怖かったので……。でも顔を写さないことによって、見る人が"自分の理想の顔"を想像できる効果があったみたいです。『こんな感じの女性を想像しています』と芸能人などの写真を送ってくる方もいて、みなさん自由に妄想してくださっているんだなと感じました。
ただ、"一般職の女性会社員"という人物像をイメージしている方が多かった印象です。自分もなるべくそういうキャラクターに寄せようと、オフィスカジュアルっぽい服装やスーツをよく着るようにしていました。実際の私はリストラされる前も全くスーツを着るような職場ではなかったので、あくまでそれらは衣装だったんですけどね(笑)」
──衣装の多彩さも人気の一因でしたよね。
「映像制作の仕事をしていた関係で、もともと手元に衣装がけっこうあったんですよね。自撮りを始めてからは、凝り性なのもあって、さらに数が増えていって……。
今後漫画でも描く予定ですが、衣装やウィッグの量に対して部屋のキャパが圧倒的に足りず、不動産屋さんに『ゴミ屋敷だ』と言われたことがあります。私にとっては大事な衣装で全然ゴミじゃないんですが、たしかに部屋の中を歩くと何かにぶつかる状況ではありました(笑)」
──ファンの方の反応が良かった衣装、そうでもなかった衣装について教えてください。
「当時流行していたのもあって、フロントジッパーの競泳水着はかなり評判が良かったですね。逆に微妙だったのは、某シューティングゲームのキャラのコスプレです。個人的には好きだったんですが、フリルがたっぷりついていて体のラインが見えないので、びっくりするくらい反応が悪かった……(苦笑)」
──露出が多ければ多いほどウケるものなんですか?
「そうとも限らないのが難しいところです。とにかく露出が多ければいいわけではなく、趣きみたいなものも重要で、タートルネックのリブニットは安定して人気でした。
そういえば2冊目の写真集を作ったとき、ちょっと新しいこともやってみようと、カメラマンの方に依頼して胸以外も写る写真を撮ったんですが、画角が広がれば広がるほどファンの評価は微妙でした(笑)」
──ファンの方的には、「普通の女性会社員がちょっとキワドい写真を自宅で趣味で撮っている」みたいな手作りっぽい雰囲気が良かったんですかね。
「そうなんでしょうね。私の中には全身でまるっと"こういう子"というイメージがあり、それを表現したかったんですが、結果的にそれぞれの方が自由に抱くイメージを崩しちゃったのかなというのは反省でした」
試行錯誤を重ね、SNS上で人気の存在となった"リストラおっぱい"ことなんのさん。続編では、当時の金銭事情について明かしてもらった。
(第2回に続く)
◇取材・文/原田イチボ(HEW)
