【アンチヒーロー主題歌】milet「hanataba」歌詞考察。ドラマの進行とともに歌詞の解釈が複層化するラブソング

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■「小さな希望」をヒントに書き始めた歌詞

TBS系 日曜劇場『アンチヒーロー』の主題歌として書き下ろされたmiletの「hanataba」はドラマのエンディングで流れるたびに異なる解釈を与えてくれる複層的な歌詞になっている。

毎週、同時視聴しながら感想をポストしているmiletのXによると、脚本の「3話分ほど読んだ頃には曲の方向性や歌詞はほぼできていました。丁度そのとき飯田Pから主題歌に込める想いをお手紙でいただき、ヒントを受け取り、歌詞やタイトルを変え「hanataba」が完成しました。飯田Pから受け取った「小さな希望」という言葉が大きなヒントでした」とあった。また、2話「拒絶」の放送直前の4月21日(日)20時に公開された彼女のMVも “小さな希望”をテーマに雪山で撮影されており、miletは「色んな形や色の花があるように、愛も様々で。そんな中で私にとっての愛の形をなぞるように歌いました。自分の中にある希望の光がたとえどんなに脆くても小さくても、その光は私の世界全てを包むくらい大きなものであること。私を照らしてくれるあなたを、私も照らしたい。そんな想いを歌いたかった」というコメントを寄せている。

■歌詞の中で歌われる“私”と“あなた”とはドラマで言うと誰なのか

この歌詞の中で歌われる“私”と“あなた”とはドラマで言うと誰なのか。シンプルに考えれば、“大嫌い 嘘じゃない/ああ 鎧をそっと降ろして”とは「アンチヒーロー」のことであり、 “私”は有罪率99.9%といわれる日本の刑事裁判で無罪を獲得するドラマの主人公である明墨弁護士(長谷川博己)だろう。では、“愛したい誰より脆い/私の心に気づいてくれた”という“あなた”とは誰なのか?“僅かな光でもいいよ/私が照らしていくと誓った”という“あなた”とは誰なのだろうか? 5月19日(日)放送の第6話「不正」まで見た時点では、明墨は5年前までは検察官を務めており、12年前に殺人罪で死刑判決を受けた志水死刑囚(緒方直人)の冤罪を晴らすために行動していることが明かされた。しかし、1話目から登場していた、児童養護施設で紗耶(近藤華)との関係性はまだ詳しく描かれていない。彼女は、明墨以外の大人と対面するとパニック障害のような対応を見せるが、明墨とは親しく話しており、ともに保護犬施設から譲り受けたゴールデンレトリバー(ミル、ココア、マメ)を飼っており、6話目でどうやら志水死刑囚の一人娘であるらしいことがわかった(ホームページの相関図では苗字が出ていなかった)。じゃあ、“あなた”とは、紗耶なのかというとまだ心許ない。

なんと言っても気になるのは、MVが公開されたあとの第2話のエンディング。明墨は霊園を訪れ、“REIKO MOMOSE”と書かれた墓跡に青い“花束”を捧げ、涙を流していた。彼女は5話「因縁」で、紗耶と一緒に写真に映っていたことが判明した。志水や紗耶と桃瀬(吹石一恵)、桃瀬と明墨がどんな関係かはまだわかっていないが、“あなた”は桃瀬で、“小さな希望”は紗耶、もしくは志水の冤罪を晴らすための証拠なのではないかと思う。そう考えると、2番は、“私”と“あなた”の視点が逆転している可能性も考えられる。“あなたが隣にいれば/闇夜に光が灯った気がした”の“あなた”は明墨で、“約束できない私を許さないでね”の“私”は、もう二度と会うことのできない桃瀬かもしれない。もしくは明墨の心の奥にある弱い部分を描いている可能性も考えられる。桃瀬が映った写真がアップになったときに “僅かな光でもいいよ/あなたと歩いていくと誓った”というフレーズが流れていたが、それは明墨の決意の表れのように感じた。

■様々な捉え方ができるmiletが歌う愛の形

だが、miletがいろんな愛の形を歌ってると言ってるように、この曲は様々な捉え方ができる。第2話「拒絶」では、半年前に自身が担当を外された松永(細田善彦)の冤罪を晴らすために動いている若手弁護士の赤峰(北村匠海)が、殺人を犯した緋山(岩田剛典)を無罪に導いた明墨を「先生はなんのために犯罪者を無罪にするのか?」糾弾すると、「君が君の正義を貫くように、私は私の道を突き進む」と言い放ち、第3話「過去」では「自分の思う道をいけ」と諭されると同時に、「hanataba」が流れ始め、“大嫌い 嘘じゃない”というフレーズが重なった。このときは、“私”と“あなた”が、明墨と赤峰、もしくは赤峰と松永の関係に感じたし、“Go carry on carry on/点と点を繋いで”という歌詞そのままに、つながるはずのない点が繋がっていった第5話「因縁」では、「何かを隠蔽した」らしい千葉県警の倉田(藤木直人)と彼の娘で、明墨のもとで働く紫ノ宮弁護士(堀田真由)の複雑な家族愛のようにも感じた。特に5話では“ごめんね ごめんねと手を握った”というフレーズのボリュームが上がっていたのが印象的で、「12年前から笑わなくなった」という父親の決して口にはできない心の奥底から溢れて出た感情のようにも響いた。

■タイトル「hanataba」の意味とは?

そして、もっとも気になるのは「hanataba」というタイトルだ。歌詞には“美しい花束じゃない/名前のない花を選んでくれた”とあり、“忘れてしまうかな 涙が枯れても咲いた花”と続く。この花束にはどんな意味があるのか。明墨事務所の面々は、明墨=黒を筆頭に、紫ノ宮、赤峰、白木(大島優子)、青山(林泰文)と名前に色が入っている。さらに、桃瀬、緋山だけではなく、検察、警察、政治家、裁判官の闇を暴いてきた明墨にとっては敵勢力で大ボスでもある伊勢原検事生(野村萬斎)のもとで働いている緑川検察官(木村佳乃)にも色が入っているのが気になる。果たして最後にはどんな花束が完成するのか──。

ドラマのクライマックスまで見守りたいと思う。

TEXT BY 永堀アツオ

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リリース情報

2024.6.5 ON SALE
SINGLE「hanataba」

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