新たな選手の台頭がチームの強化に繋がる。大岩監督が重要視している“タフさ”を表現してアピールできるか。写真:松尾祐希

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 2年後のパリ五輪を目指すU−21日本代表が再び動き出した。

 大岩剛監督が就任して3度目の活動となる今回の千葉合宿は、5月9日から11日までのショートキャンプ。6月3日に初戦を迎えるU−23アジアカップの開幕前最後の活動となるだけに、この3日間は1秒たりとも無駄にできない。戦術の浸透、メンバー選考など、限られた時間を有効活用すべく、大岩監督の手腕が問われるのは間違いない。

 しかし、活動がスタートする前にアクシデントに見舞われる。MF松村優太(鹿島アントラーズ)、MF本田風智(サガン鳥栖)、MF松岡大起(清水エスパルス)、MF鈴木唯人(清水エスパルス)、MF藤田譲瑠チマ(横浜F・マリノス)、FW藤尾翔太(徳島ヴォルティス)の6名が怪我やチーム事情などで活動前に招集を辞退となったのだ。

 3月のドバイカップに参戦していた松村、鈴木、藤田、藤尾はチームのコアメンバーで、大岩体制下で初招集となった松岡や本田も主軸候補のプレーヤー。とりわけ、リーダー候補の松岡は怪我で過去2度の合宿に参加できておらず、大会前最後の活動で戦術理解を深める機会が失われた。

 ただ、すべてがマイナスに働くわけではない。今回の活動に参加している26名のうち8名が初選出で、5名は3月上旬の立ち上げ合宿以来の代表招集となる。9日の練習後に大岩監督は「今月末から始まるU−23のアジア選手権への準備という位置付け」と合宿の目的を話していたが、サバイバルレースの要素が当初より強くなったのはプラス材料だ。
 
 今回は短い期間の活動で、ゴールデンウィークの連戦明けに実施されている状況を踏まえれば、負荷の掛かるトレーニングはそこまで望めない。合宿初日も先週末のリーグ戦に出場した選手たちが軽めの調整で終えるなど、疲労を考慮したメニューが組まれていた。

 本格的にトレーニングできるのは実質10日の1日のみ。練習でのパフォーマンスも重要だが、最終日に組まれている大学選抜とのトレーニングマッチでのアピールがポイントになる。
 
 では、大岩監督は選手たちに何を求めているのか。答えはシンプルだ。ドバイカップと同じく、“タフさ”だ。ハードワークなどのプレー面はもちろん、プレッシャーを感じる状況下でいつも通りに振る舞えるか。また、アクシデントが発生した場合に異なるポジションにも対応できるか。実際、3試合連続完封勝利で優勝を果たしたドバイカップでは、タフさを見せて評価を高めた選手が数え切れないほどいた。

「タフじゃないといけない。27名で挑んだドバイカップは27名から(負傷やチーム事情によって)減り、最後は18人で戦った。(パリ五輪やアジアカップは)限られたメンバーで戦わないといけないので、本当にドバイカップではいろんな収穫があった」

 大会後に大岩監督が選手たちの成長ぶりに目を細めていた通り、ドバイ組は異国の地で雰囲気にのまれながらも状況に応じたプレーを見せていた。となれば、今回の合宿で彼ら以上の“タフさ”を示さなければ、代表入りは勝ち取れない。
 
 その点は初招集組や復帰組の選手たちも理解しており、意欲は十分。復帰組の櫻井辰徳(徳島ヴォルティス)は練習前に羽田憲司コーチから声を掛けられ、セットプレーのキッカーを務めてきた鈴木唯や山本理仁(東京ヴェルディ)の代わりを指名された。「キックは特長にしているので、良いボールを蹴りたい」と言い切り、モチベーションを高めている。

 もちろん、ドバイ組のポジションが確約されているわけではなく、「今後も安泰というわけではない」(大岩監督)。ただ、新たな選手の台頭がチームの強化に繋がる。限られた時間で選手たちがどんなプレーを見せるのか。メンバー入りを懸けた熾烈な争いから目が離せない。

取材・文●松尾祐希(フリーライター)

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