半導体不足などを原因とする「PlayStation 5(PS5)」の供給不足に悩まされているソニーが、2021年末で生産終了ではと報じられていた前モデル「PlayStation 4(PS4)」の生産を継続し、新たに100万台を出荷する予定であると経済紙のBloombergが報じました。

Sony Tackles PlayStation 5 Shortage by Making More PS4 Consoles - Bloomberg

https://www.bloomberg.com/news/articles/2022-01-12/sony-tackles-playstation-5-shortage-by-making-more-ps4-consoles

PS5は世界規模で発生している半導体の不足などを原因として供給不足が続いています。ソニーは2021年4月末に発表した2020年度第4四半期決算において、2021年3月31日までにPS4の初年度販売台数を上回る780万台のPS5を販売したことを明らかにしており、2021年度にはPS4の2年目実績を上回る1480万台超を販売する計画を発表していました。しかし、PS5の供給不足は解消されず、2021年5月にはソニーの十時裕樹最高財務責任者(CFO)が「PS5の供給不足は2022年になっても続く可能性がある」との見通しを発表しています。

ソニーはPS5の供給不足が2022年になっても続くと予測している - GIGAZINE



匿名を条件に語った関係者によると、ソニーはPS5の供給不足に対応するため、本来2021年末で生産を終了する予定だったPS4を継続して生産し、およそ100万台を出荷する予定であり、この数字は需要に応じて調整されることが分かっているとのこと。2013年に発売されたPS4はPS5ほど高度ではない半導体を使用するため製造が安易で、顧客の予算に見合う代替品であることがメリットであるとBloombergは述べています。

なお、ソニーの広報担当者は「PS4はこれまでで最も売れたゲーム機の1つであり、生産を中止する予定はない」とBloombergに語っており、そもそもPS4に生産終了の予定はなかったというのがソニー側のスタンスのようです。また、関係者は「PS4の生産による発注増加は、協力会社との交渉の際に余裕をもたらすだろう」と述べたとのことです。



生産の滞りにより旧世代の製品生産を継続するという手法は、NVIDIAが旧型GPU「GeForce RTX 2060」および「GeForce GTX 1050 Ti」の再生産を計画しているという点にも見られます。ゲーム機の不足は「Xbox Series X/S」なども同様に影響を受けており、需要の高いこれら製品は転売などの問題からも「購入することが劇的に難しくなってきている」との指摘を受けています。

PS5を購入することは劇的に難しくなってきている - GIGAZINE