現地時間2021年8月11日、超党派の上院議員3名がAppleやGoogleなどのアプリストアを規制する法案を提出しました。提出者3名は同法案について、「アプリ経済における強制的な反競争の壁を取り除き、消費者の選択肢を増やし、小規模な新興技術企業に戦うチャンスを与えるものです」と説明しています。

SIL21995 - 8.11.21 - Open App Markets Act - Bill Text.pdf

(PDFファイル)https://www.blumenthal.senate.gov/imo/media/doc/8.11.21%20-%20Open%20App%20Markets%20Act%20-%20Bill%20Text.pdf

Blumenthal, Blackburn & Klobuchar Introduce Bipartisan Antitrust Legislation to Promote App Store Competition | Press Releases | United States Senator Richard Blumenthal

https://www.blumenthal.senate.gov/newsroom/press/release/blumenthal-blackburn-and-klobuchar-introduce-bipartisan-antitrust-legislation-to-promote-app-store-competition

Senators target Apple’s App Store exclusivity in new bill - The Verge

https://www.theverge.com/2021/8/11/22620454/apple-google-app-store-senate-play-bill-epic-games-fortnite

U.S. lawmakers introduce bill to rein in Apple, Google app stores | Reuters

https://www.reuters.com/technology/us-lawmakers-introduce-bill-rein-apple-google-app-stores-2021-08-11/

新たに民主党のリチャード・ブルーメンソール上院議員とエイミー・クロブシャー上院議員、そして共和党のマーシャ・ブラックバーン上院議員の3名が提出した法案は「Open App Markets Act(オープンアプリ市場法)」という名称で、内容は主に「大手アプリストアがアプリ開発者に自社の決済システムの使用を強制することを禁止する」「他のアプリストアや決済システムで異なる価格・条件を設けたアプリに罰則措置を講じることを禁止する」「自社サービスを利用するアプリ開発者から得た非公開データを、競合製品を作り上げるために活用することを禁じる」というもの。

自社決済システムの強要や他社決済システムで異なる価格・条件を設けた場合の罰則措置に関しては、世界的に高い人気を誇るバトルロイヤルゲーム「フォートナイト」の開発元であるEpic Gamesの一件が好例。Epic GamesはフォートナイトのiOSアプリ版に対してApp Storeを介さない支払方式「EPICディレクトペイメント」を実装して手数料徴収を回避しようとしましたが、Appleは報復措置として規約違反を理由にフォートナイトをApp Storeから削除。これを受けてEpic Gamesは一連のAppleの措置は独占禁止法に抵触するとして、2020年8月に提訴に踏み切っています。

「フォートナイト」開発元のEpic GamesがAppleを提訴 - GIGAZINE



同様にGoogleもアプリストアにおける独占禁止法で36州とワシントンD.C.から訴えられています。

「GoogleのPlayストアは手数料を取り過ぎ」と36の州とワシントンD.C.から訴えられる - GIGAZINE



「自社事業の非公開データを利用して競合アプリを作ることを禁じる」という条項については、Appleにアプリの丸パクリ疑惑があるため。Appleが既存のアプリとほぼ同一内容の機能を提供し続けてきたという歴史については、以下の記事で詳しく解説しています。

Appleにアプリを丸パクリされても許容するサードパーティー開発者の胸中とは? - GIGAZINE



このほか、Appleのスマートトラッカー「AirTag」もサードパーティ企業には利用できない機能が組み込まれており、ハードウェア的にも「自社の非公開データを利用して競合製品を作り上げる」という事例が存在します。これについてはスマートトラッカー大手のTileが公の場で非難していました。

Appleの反トラスト公聴会で「AirTagはパクリ」「App Storeはおとり商法だ」など厳しい意見が噴出 - GIGAZINE



今回新たに上院に提出された法案は、現在進行中の訴訟に関して新たな法的根拠を与える内容といえます。ブルーメンソール上院議員らは「AppleやGoogleの略奪的な特権乱用は、様々な面で非常に不快です」「彼らの力はイノベーションを阻害し、経済全体に影響を与えるところまで来ています」とコメントを出しています。