【セルジオ越後コラム】STAP細胞論文問題に自戒を込めて
日本代表候補合宿が7日から9日まで行われ、日本代表の話題がニュースを賑わせた。僕はこの合宿でザッケローニ監督が何を求めていたのか、最後まではっきりしなかったと思っている。
メディアは南野拓実らの名前を挙げて「サプライズ枠は誰か」などと報じていたけど、合宿の狙いや意図そのものについて考察することよりも、記事を売ることばかりに頭がいって、分かりやすいネタばかり集める、あるいは作り出していたように思えるね。
これは、連日大騒ぎになっているSTAP細胞の小保方晴子さんの問題でより顕著だね。論文としての不備や理研という組織のあり方について言及していくところから、日に日に逸脱し、記者会見の洋服がなんだ、化粧がどうだと、まったく本質的ではない話題が取り上げられている。
もはやワイドショーのエサでしかないね。これは売れるネタだぞと飛びつき、無理やりにでも記事を作り出す。大手ニュース番組も新聞も似たようなものだから情けない。
けれど、なぜメディアがそうするのかと言えば、そうすれば記事が売れ、視聴率が取れるからだ。つまり、買う人がいるから。鶏が先か卵が先か、どちらにせよ、大衆のレベルとメディアのレベルは表裏一体であることを考えると、自戒も込めなければならないね。

サッカー解説でお馴染みのセルジオ氏による辛口コラム。