高視聴率の深夜アニメ『CLAYMORE』田中洋之監督が放送当時を語る


人間を喰らう魔物・妖魔と、半人半妖の女戦士クレイモアの死闘を描くダークファンタジー『CLAYMORE』(クレイモア)。
八木教広氏の原作で2001年から2007年まで月刊少年ジャンプで連載し、2007年12月号からジャンプスクエアに移籍して今も連載を続けている。
2007年に日本テレビ系列でアニメ放送され、深夜帯にもかかわらず高い視聴率を叩き出した人気作品だ。

主人公のクレアは、大切な人の死をきっかけに自ら志願して戦士となった。人間離れした強さを持ったことで人々には恐れられるが、人間の頃の優しい心を保ち続けている。
妖魔討伐の任務後、命を助けた少年ラキとなりゆきで旅することに。
クレアは恩人の戦士テレサの仇である、強力な妖魔プリシラを討つため、厳しい鍛錬を積みながら他のクレイモアたちとの絆を深めていく。

アニメは全26話で構成され、過去ストーリーであるテレサ編を挟みながらクレアの成長と贖えない運命を描いていく。

この壮大なファンタジーアニメーション『CLAYMORE』がBlu-ray化することを記念して、全編の監督をつとめた田中洋之氏に制作当時の話を伺った。

※放送は1話をSCENE01としてますが、インタビュー中は便宜上、第1話と表現いたします。

--『CLAYMORE』制作当時のことを伺わせてください。

田中洋之監督(以下、田中):これが最初の監督作品だったので、気負っていたのかなぁという感じですね。あとは韓国のスタジオがメインの現場だったので、絵作りは韓国、音響は日本でやっていました。そのため、実作業の現場に監督が居ない状況がありましたね。
アフレコやダビングがある都度戻ってくるわけにはいかないので、第1話と最終話のときは韓国入りしましたが、中間話は遠隔操作でした。

--エンドロールでも韓国の方のお名前が目立ちました。

田中:大多数は向こうの韓国人スタッフなので、日本人スタッフはほとんど居なかったですね。こちらに監督ひとりと、向こうに渡って指示する制作スタッフが数名くらいです
僕は日本でポツンと、絵が戻ってくるのを待って確認、修正の指示出しをしてました。

--放送が始まった2007年頃から外国のスタジオにオーダーすることが増えたのでしょうか?

田中:そうですね。増え始めた頃ですね。昔からやってはいたんですけど、依存度が高まったのはこのころです。
スピードが早いというのと、なんだかんだでクレイモアは甲冑の光沢感などに手間がかかる作品なので、時間が無いなかできっちりやってくれるっていうのは海外現場の強みです。
甲冑って着て立っているだけならいいんですけどね。派手にアクションしますから人と供に肩の飾りや剣も一斉に動いて大変です。

--アクションに派手な血しぶきもついてまわりましたが。

田中: 最初に『CLAYMORE』をアニメ化すると決まった時点でプロデューサーと話したのは、まさにそこだったんですよね。グロな部分を廃してしまうと作品感が変わってしまうので、切った断面とかはリアルにしないまでも、血しぶきは基本的に遠慮しないでやりますよ、と了承を得ました。
グロといっても汚くするのは無しで、綺麗に見せるように「血の色を緑にしておけばいいよね」みたいなお茶の濁し方はせずに思い切りやりましたね。
1話の冒頭から臓物がビショーっと出てたりするんです。
あとは、クレイモアと呼ばれる戦士側が人間の味方で、敵側が妖魔であるっていう差ですよね。血などが出ることで人と妖魔の争いが表現できるのであればちゃんとやろうって。


--第1話の冒頭、妖魔が人を喰ってるシーンは衝撃的でした。

田中:あそこは最初に世界観を表すためにわざとインパクトを付けました。誤って子供やグロが苦手な方が観ようとしたら「こういう作品なのでご注意ください」のサインを出して、ご遠慮いただくために。切り裂いたり首が落ちたりしますから、ある意味「リトマス試験紙」的なものです。ここでパキっと反応が別れるので、面白いと思った方はこの先も観続けるし無理だと感じたら控えていただけるだろうなと思いました。
冒頭の役目は、この作品は何をするんだろう?ってわかってもらう事です。妖魔の目的「人を襲って喰らう」がピンとこないと話に入り辛くなってしまう。そのあと登場した村人が妙に怯えているワケを提示しておく必要がありましたので一発目にインパクトシーンを入れておいたんです。