脳卒中、心筋梗塞の原因、ドロドロ血液。《8種の食品》で血の汚れをきれいにしてサラサラに
生活習慣の乱れなどで、血液がドロドロになると血管が弱る原因に。しかし、今の状態が悪くても、年齢を問わずきれいにすることは可能です。医師が考案した血液をサラサラにするための食事法を伝授します(構成:村瀬素子 イラスト:おおつか章世)
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糖質過多の食生活が血管を傷つける
年を重ねると、血管は弾力性を失い、硬く、脆くなっていきます。こうした血管の老化を招く大きな要因が、血液の汚れです。ドロドロの血液は流れにくく、血管に負担をかけ、血管の内側が傷つきやすくなります。
とはいえ、80代、90代になっても血管がきれいで血液がサラサラ流れている人もいるのです。その差は、なぜ生まれるのでしょう。カギを握るのは生活習慣。なかでも大きいのが、日々の食事です。
私が行った調査によると、中高年世代の女性は、ごはんをはじめとした炭水化物に加え、間食でお菓子をつまみすぎる傾向があります。血液を汚す主な原因が、それらに含まれる「糖」です。生命活動に不可欠な栄養素ですが、摂りすぎると、血液中のブドウ糖が増えてドロドロになります。
また、食べすぎや運動不足で増える「中性脂肪」も原因の一つ。糖が不足したときの代替となる重要な役割があるものの、増えすぎると皮下脂肪や内臓脂肪として蓄えられ、血中に溶け出して血液を汚すことに。
血液が汚れるとはどういうことか、もう少し詳しく説明しましょう。血液には、赤血球、白血球、血小板という3種類の血球が存在します。さまざまな要因により、血球同士がくっついて変性することで、血がドロドロになるのです。この状態には3つのタイプがあります。
タイプ1は、高血糖や肥満の人に多く見られる「ネバネバ血液」。血中の糖が多いと、赤血球が変性して硬くなり、ハチミツのような粘り気のある血液に。そのため細い血管を通り抜けできず、停滞してしまうのです。
タイプ2は「ザラザラ血液」。非常に小さな顆粒状の血小板同士が無数にくっつき、血液がザラメをまぶしたせんべいのような状態になるため、血管の壁に引っかかったり、傷つけたりします。最大の原因は中性脂肪。中性脂肪値が高い人や、肝臓に脂肪が蓄積する脂肪肝の人はほぼこのタイプに該当します。
タイプ3は「ベタベタ血液」。白血球の粘度が高くなり、白血球同士が糊のようにくっつき血管の壁などに付着します。主な原因はストレス。悩みや不安など精神的なものだけでなく、過労や睡眠不足、不規則な生活など体への負担も含まれます。
なお、ストレスは活性酸素を発生させる要因にも。過剰な活性酸素は体の組織を酸化させ、老化を促進。血液や血管にも悪影響を及ぼします。
シニア女性はザラザラ血液の人が多い傾向ですが、3つすべての汚れを抱えている人も少なくありません。放っておくと動脈硬化が進行し、脳卒中、心筋梗塞などの病気を引き起こすリスクが高まります。
たとえ今の状態が悪くても、血液は日々入れ替わっているので、食生活を見直すことで何歳からでも血をきれいにすることは可能です。血管の内皮細胞も新陳代謝によって生まれ変わるため、血液がサラサラ流れれば、血管の傷が修復され、弾力が戻ることも期待できます。
筋肉は血液の糖を掃除してくれる
次に、血液の汚れをきれいにする食事についてお伝えしましょう。基本は、糖の代謝を促す、中性脂肪を減らす、活性酸素を除去する、この3つの効果がある食品をバランスよく取り入れること。
具体的には、オ(お茶)・サ(魚)・カ(海藻)・ナ(納豆)・ス(酢)・キ(きのこ)・ヤ(野菜)・ネ(ねぎ)。「オサカナスキヤネ」と覚えて、毎日食べることを意識しましょう。
また、『婦人公論』世代はたんぱく質を優先して摂取することが大切。身体機能を維持するために必要な筋肉は、血中の糖を掃除する器官でもあります。筋肉や血管の材料となるたんぱく質は、血管を強くするうえで不可欠。
とくにおすすめの食品は、血液に含まれるたんぱく質の約60%を占めるアルブミンを増やす赤身の肉と卵。そして、血管のしなやかさを高めるDHAや炎症を鎮めるEPAを豊富に含むサバ、イワシ、サンマなどの青魚。DHA・EPA、アマニ油などに含まれるオメガ3脂肪酸は、血管機能を改善し、病気の予防にもつながります。
ただ、こうした必要な栄養素をあれもこれも取り入れて毎日食事を作るのは大変ですよね。そこで私が考案したのが、「血液お掃除スープ」。トマト、玉ねぎ、鮭缶、黒酢など血液をきれいにしてくれる成分を詰め込んだスープです。
材料と作り方は、次の記事で紹介しますが、スーパーで手に入る身近な食材と調味料を使い、簡単に作れます。1週間分をまとめて作って冷凍保存しておけば、調理の手間なく、毎日取り入れられるでしょう。
基本の血液お掃除スープは1杯55キロカロリー、塩分1gに抑えている一方、たんぱく質は卵(SSサイズ)1個分に相当する約5.1gも含まれています。
秘訣は食べる順番とよく噛むこと
効果的に栄養素を摂取し、血液をきれいにするには、食べる順番も重要です。空腹時に糖質を摂ると食後の血糖値が一気に上がって、その後急降下します。
こうした乱高下を繰り返す「血糖値スパイク」は、血液を汚し、血管にダメージを与える元凶。これを防ぐためにも、私は次のような順番をおすすめしています。
(1) 血液お掃除スープ、(2) 肉、魚、卵などたんぱく質の豊富なメイン料理、(3) おひたしやサラダなど食物繊維がたっぷりの惣菜、(4) ごはんなど炭水化物。
この順番だと、血糖値の上昇が緩やかになり、たんぱく質をしっかり摂ることもできます。ただ、きちんと順番を守らなくても、スープを飲みながら肉や魚、野菜を食べてもOK。食事中はよく噛むことで、糖の吸収が遅く、たんぱく質の吸収が早くなります。
糖質を極端に減らす必要はありませんが、果物の食べすぎには要注意。果物に含まれる果糖は小腸で急速に吸収されるため、中性脂肪の材料となり、ザラザラ血液の一因に。健康な人の適量は1日200gとされています。
さらに注意してほしいのが、果糖ブドウ糖液糖(異性化糖)。これは果物の糖ではなく、じゃがいもなどから作られる液体甘味料です。清涼飲料水、めんつゆ、ドレッシング、各種のタレなど多くの加工品に含まれており、無意識のうちに大量の糖を摂ってしまうことも。果糖ブドウ糖液糖は血糖値の急上昇を招く点も問題です。食品表示の原材料を確認して、商品を選ぶようにしましょう。
血液・血管の健康のためにも、食事は1日3食が基本です。空腹時間が長いほど、食べると一気に糖質が吸収されます。朝、食欲がないときは、血液お掃除スープを飲むだけでもいいでしょう。
こちらの記事で、基本のスープに具材を加えたアレンジメニューも紹介しています。ご自分の好きな具材と味つけでバリエーションを広げてみてください。
まずは1日1杯、2週間続けてみましょう。血流が改善されることで栄養素が全身に行き渡るようになり、老廃物が排出され、「むくみがとれた」「疲れにくくなった」など、さまざまな変化が期待できます。
<2につづく>

