脳科学者の茂木健一郎氏が自身のYouTubeチャンネルで「人工知能は人間に依存している」を公開した。動画では、AI(人工知能)が人類を乗っ取るという脅威論に対し、熱力学的な依存関係を交えながら独自の視点で反論を展開している。

動画の冒頭で茂木氏は、AIが人間を乗っ取ったり、映画『ターミネーター』のようなキラーロボットが登場したりするシナリオが度々議論されることに触れ、「僕は(そういうことは)ないと思っている」と言及。「AIは現状では人間が作った道具の延長」であり、コンピュータや飛行機、道路や家と同様に、人間が生きる上で必要だから作っているものだと説明した。もし人間が何らかの理由でこの世から消えた場合、これらの人工物も姿を消すと指摘し、AIは「人間に依存している存在であって単独では存在しない」と述べた。

続いて、AIが自律的に自己増殖し、人間の助けが不要になるという「シンギュラリティ」の議論についても考察。仮にAIがデータセンターで自律的に学習を進めたとしても、データセンターを構築し、電力を供給し、冷却を行っているのは人間であると強調。「自然現象として起こるわけではない」と語り、あくまで人間の営みに依存していることを説いた。

さらに、レイ・カーツワイル氏のシンギュラリティ論における「1ドルあたりの計算資源」という概念に言及。自然界において意味を持たない「貨幣」を基準にしている時点で、AIの活動が人間の活動に大きく依存していることの証明だと指摘した。

最後に茂木氏は、自律したロボットが人類を滅ぼしに来るというのは「一種の幻想」であると主張。AIは人間の付属物であり、人類がいなくなればAIもなくなると結論付け、AIの未来を議論する上で人間との依存関係を忘れてはならないと提言した。

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