※画像は生成AIによるイメージです

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 商店街の顔なじみのお客さん、行きつけの店の“いつもの人”――そんな存在は、店にとっても地域にとっても、なんとなくありがたいものです。でも、その“毎日の常連”が、ある日突然、まったく別の顔を見せたとしたら――。
 労働組合UAゼンセンが2024年に実施したカスタマーハラスメント調査(サービス業33,133件の回答)によれば、直近2年以内に迷惑行為の被害にあった従業員は46.8%。およそ2人に1人が、業務中に理不尽なクレームや暴言を受けた経験を持つ計算になります(出典:UAゼンセン 第3回カスタマーハラスメント対策アンケート調査結果)。“お客様”という立場を盾に、店員を追い詰める――そんな出来事は、いまや珍しい話ではなくなりました。

 今回ご紹介するのは、過去に大きな反響を呼んだ実録エピソードから、夫婦でベーカリーを営むオーナーが体験した、開店直後から通い続けてくれた“優良顧客”の話。ある日その常連客が、いきなり牙をむいたのです。

 記事の後半では、この“怒れる常連”の意外な正体と、その裏にあった切ない事情について、少しだけ掘り下げてみます。

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◆脱サラして夫婦で始めたパン屋

 10年間勤務した製パン会社を辞め、1年間都内の人気パン屋で修行を重ねた伊藤さん(仮名・36歳)。保育士だった妻と共に、念願のパン屋をオープンしました。

「正直、脱サラすることには非常に慎重でした。製パン会社では責任あるポジションにあり、収入にも満足していました。しかし、妻と久しぶりに都内のレストランで食事をした帰りに、偶然通りかかった人気のパン屋に出会ったのです。

 その1週間後には、パン屋のオーナーに『修行させてください』と直接お願いしたところ、熱意が伝わったのか、たまたま人手が必要だったのかは分かりませんが、快く受け入れてもらいました」

 そんな経緯を話してくれた伊藤さん。歯ごたえの良いパン生地と、豊富な種類のパンが人気を呼び、順調なスタートを切ったそうです。

◆毎日たくさんパンを買っていく老人

 SNSなどでの評判の影響もあり、人気のパンが店頭に並ぶ午前中には、店の前に行列ができるほどの賑わいを見せていました。

「おかげさまで、毎日忙しい日々が続いています。特に土曜日と日曜日は、開店と同時に常連のお客様が並んでくださり、パン屋としての喜びを感じています。客層は老若男女さまざまですが、古い住宅地に位置しているためか、年齢層はやや高めです」

 そのような中、開店と同時に並び、全種類のパンを購入する白髪の高齢者がいたそうです。

「70歳代くらいの、身なりの整ったダンディな男性が、雨の日でも必ず開店前に並び、毎回数千円分のパンを購入して帰ります。レジを担当している妻と楽しそうに会話している姿が印象的でした。おそらく、家族全員の分を買いに来ているのだと思います」

◆花束持参で妻にまさかの告白

 ある日、レジの方が騒がしいことに気づいた伊藤さんは、パン作りの手を休めて様子を見に行ったそうです。

「レジには、いつものダンディな男性がいて、妻と何やらもめている様子でした。近づくと、その男性は妻に花束を手渡していました。妻は丁寧に受け取れない旨を伝えていたようですが、なかなか諦めようとしませんでした。

 レジに並ぶ他のお客様も心配そうに見守る中、私が割って入り『申し訳ありませんが、受け取れませんので、お帰りください』と伝えたところ、急に激怒したのです」

 一瞬にして店内は修羅場と化しました。伊藤さんは、なんとか高齢者をなだめようと必死に声をかけ続けましたが、収まる気配は全くありません。

◆キレまくる老人に身の危険を感じ110番