鹿実サッカー部も愛した「はらら温泉」が約60年の歴史に幕 世界へ羽ばたいた名選手の知られざる“原点”が
鹿児島市の「はらら温泉」が今月10日で約60年の歴史に幕を下ろすことになりました。サッカー元日本代表の松井 大輔さんなど、鹿児島実業サッカー部の選手たちからも愛された温泉。そこには世界へ羽ばたいた彼らの知られざる“原点”がありました。
鹿児島市原良にある「はらら温泉」。昔ながらの趣が残る浴室は、やわらかな湯気に包まれた落ち着いた空間ですが、今月10日で営業を終えます。
(店主と常連客の会話)
「寂しいね…毎日決まった時間に来ていたからね」
(常連客)
「はらら温泉は広くて、疲れも取れやすいですよ。足腰がちょっと痛いのも、だいぶ良くなりました。気持ちよく入らせていただいているんですけど(閉店は)残念ですね。これからどこの温泉に行こうかな…」
閉店の理由は、施設の老朽化です。約60年にわたり地域に親しまれてきた温泉が、その役目を終えようとしています。
(はらら温泉・森山順一郎さん)
「建物自体が古くなって、どうしようもないなっていう時期だった。手を入れるにしても、ある程度の資金もかかるし、自分たちも歳をとっていますから。だからもうこのぐらいで(閉店で)いいだろうと」
はらら温泉は、名門・鹿実サッカー部の選手たちが練習の後、訪れていた温泉でもあります。アトランタオリンピック日本代表のキャプテンとして活躍した前園 真聖さん、南アフリカワールドカップで活躍した松井 大輔さん。
森山さんが見せてくれたのは、彼らが高校時代、はらら温泉を訪れていた時の写真です。世界を舞台に戦った選手たちは高校時代、練習の後に毎日、足を運んでいました。
(はらら温泉・森山順一郎さん)
「私のところに20~30人来ていたんですよ。夜8時頃になったら(鹿実の選手たちが)ここで体操したりするものですから。 一般のお客さんが来なくなりましたよ。そういう時代でしたね」
森山さんは、鹿実サッカー部の選手たちと一緒に温泉に入り、まさに裸の付き合いをしていました。
(はらら温泉・森山順一郎さん)
「(サッカーが)うまかろうが、下手だろうが、温泉に来たらみんな平等。(監督から)怒られたりすると選手たちは落ち込むんですよ。(松井)大輔も、松澤監督に言われるんですよ。お前を使わないとか、ダメだとか。松井も何回も学校辞めたいっていうことがありました。じゃあ、こうやった方がいいんじゃないのかと言ったこともありました」
今はサッカー解説者としても活躍する松井大輔さん。はらら温泉の閉店を聞き、10日までに訪れると森山さんに連絡したそうです。
(はらら温泉・森山順一郎さん)
「みんな(閉店前に)来ると。松井たちから、いつ来るからと連絡きた」
鹿実サッカー部の選手をはじめ、多くの人に愛され続けてきた「はらら温泉」。お湯の温もりとともに刻まれた思い出は、これからも多くの人の心に残り続けます。
