古着の着物をリメークして洋服に。越中八尾に見る“リアルなジャパン”
こうした中、原井社長は「地元のおばあちゃんであったり、幼い子どもを抱えたお母さんだったり、こういった人たちと一緒に洋服をつくることで地域を元気にさせたい」とし、オズリンクスのアパレル参入を町おこしの新たな力にする考え。
日本に訪れた外国人をはじめ、グローバルに活躍するビジネスウーマンを主なターゲットにする。同社が運営する宿泊施設の近くにギャラリー兼アトリエショップを立ち上げ、製品を展示・販売する。一部の製品に限り、インターネットでも購入できるようにする。
東京都のセレクトショップで委託販売したり、富山県の企業向けにオーダーメードで販売したりするビジネスモデルも視野に入れる。将来、富山空港や富山駅、大手企業の受付などでの採用を目指す。価格はトップスとスカートのセットで1万8200円から、ネクタイ4200円からなど。
地元と”よそ者“の力を結集
雇用については、原井社長によると「作り手さんの働きやすい労働時間に配慮しつつ、年間の生産計画を達成する仕組みにする」。
さらに作り方を統一することで、標準化された製品を提供できるようにする。マネージャーら管理スタッフは出身が越中八尾地域以外の人たちを生かす。
管理スタッフは大手古着小売店でシステム・生産管理部門を担当した経験があるなど、いずれも専門のノウハウを持つ人材を採用。「生まれが越中八尾以外の“よそ者”が持つデザインやマーケティングなどの力、それに地域の人たちのモノづくりの力を合わせることで新たな交流を生み出す」(原井社長)。
原材料は提携した古着屋から格安で購入するほか、個人の使わなくなった着物を譲り受けるなどして調達する。すでに約400着のストックがある。結婚時に着物を仕立ててきた世代を中心に、使っていない着物を持て余している女性が少なくないという。
オズリンクスは16年1月に創業。観光宿泊施設の運営と企業の海外販路の開拓を支援するコンサルタントが事業の両軸だ。宿泊施設が提供しているサービスとして、外国人観光客向けの簡単な着物の着付け体験が売りの一つで、ストックしている着物の幾つかをリメークして販売したところ好評だったことが、同社のアパレル分野参入のヒントになった。
(文=碩靖俊)
