「やっている」が「効いている」になる日まで
調剤薬局15年の薬剤師が、企業の健康経営に挑む理由
新職能「産業薬剤師」を提唱する書籍を、仙台から世に問う。
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■ きっかけは、ある経営者のひと言だった
「健康経営優良法人、取りました。でも、何も変わらないんです」
調剤薬局の窓口に立ち続けてきた15年間、私は数えきれないほどの「働く人」と向き合ってきました。
市販薬を選びに来る方。
健診結果を手に「これ、どうしたら……」と相談に来る方。
上司に言えない不調を抱えて、ぽつりと打ち明けてくれる方。
そんなある日、地域の経営者の方から打ち明けられた言葉が、忘れられません。
「認定は取った。健診もやっている。ストレスチェックも実施している。それでも社員の不調は止まらない。むしろ、何をすればいいのかわからなくなっている」
制度はある。
けれど、日常には届いていない。
その現実を、強く感じた瞬間でした。
■ 制度はある。なのに、日常には届いていない
健康経営という言葉は、この十年で大きく広がりました。
認定制度が浸透し、上場企業から中小企業まで、健康経営を掲げる会社は増えています。
ところが現場に入ってみると、共通する風景がありました。
健康診断の結果は、各自に配られるだけ。
ストレスチェックは、実施されるだけ。
健康研修は、受けて終わるだけ。
制度は整っているのに、社員一人ひとりの日常までは届いていない。
「やっている」と「効いている」の間には、深い溝が横たわっていました。
その溝を埋める誰かが、必要だったのです。
■ 薬剤師には、まだ役割がある
私は、調剤薬局から少し離れたところで考え続けました。
社員の日常にもっとも近い専門職は、本来、薬剤師ではないか。
薬と生活。
栄養と運動。
服薬と睡眠。
生活習慣と健康リテラシー。
社員一人ひとりが日々向き合っている「健康のリアル」に、もっとも踏み込める専門性を、薬剤師は持っているはずです。
けれど、その専門性は、薬局の窓口の中だけにとどまっていました。
ならば、企業のなかに薬剤師の機能を届ければいい。
産業医を否定するのではなく、補完する。
保健師や管理栄養士と並走する。
人事総務部門の伴走者になる。
そうして輪郭を描いてきたのが、「産業薬剤師」という新しい職能でした。
■ 中小企業こそ、必要としている
産業医を専属で雇えるのは、限られた規模の企業だけです。
多くの中小企業では、産業医契約があっても月1回程度の関わりにとどまり、日常の健康支援は人事総務担当者の肩にのしかかっています。
産業薬剤師は、月数時間からの柔軟な関わりで、企業の健康課題に伴走します。
健診結果の読み解き。
社員相談の窓口。
研修の設計と実施。
休職復職の伴走。
服薬や生活習慣に関する相談。
専属でなくても、専門的でいられる。
これは、中小企業の規模感に合った支援の形だと、現場で確信しました。
■ 仙台から、地域の未来をつくる
私は仙台で薬局を経営し、訪問看護にも取り組んでいます。
震災を経験した東北で、地域医療と地域産業をどうつなぎ直すか。
これは、私自身の経営テーマでもあります。
会社が健全であれば、地域は元気になる。
地域が元気であれば、医療はもっと届く。
その循環の入口に、薬剤師という存在を据え直したい。
本書『健康経営の処方箋』は、その想いを言葉にしたものです。
経営者の方。
人事担当者の方。
そして、全国の薬剤師の皆さまへ。
読んでいただいた一人ひとりが、明日からの一歩を見つけてくださることを願っています。
■ この本が届けたい、たったひとつのメッセージ
病気になる前に、会社は社員を支えられる。
社員の健康は、最も確実な経営資源です。
会社の未来は、社員の健康から始まります。
そして、薬剤師の未来もまた、社員の健康から始まる。
そう信じて、この本を世に送り出しました。
■ 書籍情報
健康経営の処方箋
―社員の健康を経営に活かす「産業薬剤師」という新しい選択著者
著者:岡本 直也
発行:ドラゴン出版
形式:Amazon Kindle版・ペーパーバック版
販売ページ:https://www.amazon.co.jp/dp/B0GZSLPDFR( https://www.amazon.co.jp/dp/B0GZSLPDFR )
■ 著者の事業活動
株式会社ピースコネクト
URL:https://thepisco.org( https://thepisco.org )
URL:https://pc-medicine.com( https://pc-medicine.com )
一般社団法人ヘルスマネジメントコネクト
URL:https://health-management-connect.com( https://health-management-connect.com )