「回転性めまい」はなぜ起きる?グルグル回る症状の裏に潜む“あの原因”とは

「回転性めまい」「浮動性めまい」「立ちくらみ」という3つのタイプが知られており、それぞれ感じ方や原因が異なります。自分のめまいがどのタイプに近いかを把握することは、適切な診療科を選ぶうえで役立ちます。症状の特徴から耳鼻咽喉科・神経内科・心療内科など、受診先を判断する方法についても詳しくご紹介します。

監修医師:
大津 和弥(医師)

三重大学医学部卒業。三重大学附属病院で研修。市立四日市病院、三重大学附属病院などに勤務後、国立がんセンター東病院研修。三重大学附属病院 耳鼻咽喉・頭頸部外科 講師を務め、小松病院で一色信彦、田邊正博の音声外科医師の指導の下音声外科手術を研鑽。市立ひらかた病院耳鼻咽喉科部長、市立ひらかた病院耳鼻咽喉科主任部長、音声外科センター長などを歴任。大阪医科薬科大学臨床教授。現在は大津耳鼻咽喉科・ボイスクリニック 院長。

めまいの種類と症状の特徴|自分のめまいを正しく把握する

めまいは一口に「めまい」といっても、感じ方や現れ方によって異なる種類があります。このセクションでは、めまいの種類ごとの特徴と、症状の把握の仕方について詳しく説明します。

めまいの3つのタイプとそれぞれの特徴

めまいは大きく「回転性めまい」「浮動性(ふどうせい)めまい」「立ちくらみ(失神前状態)」の3つのタイプに分けられます。
「回転性めまい」は、周囲または自分自身がぐるぐると回っているように感じるめまいです。突然発症することが多く、強い吐き気や嘔吐を伴うこともあります。主に耳の奥にある「内耳(ないじ)」や、バランス感覚を脳に伝える「前庭(ぜんてい)神経」の障害によって起こるとされており、頭の向きを変えたときに起こる良性発作性頭位めまい症や、前庭神経炎、メニエール病などが代表的な原因疾患です。
「浮動性めまい」は、体が宙に浮いているような感覚や、地に足がついておらずふわふわと揺れている感覚が続くめまいです。回転感はなく、歩いているときや立っているときに身体がふらつく感じを伴うことがあります。自律神経の乱れや、脳の血流障害、高血圧のほか、精神的なストレス・不安などが背景にあることも少なくありません。
「立ちくらみ」は、急に立ち上がったときに目の前が真っ暗になったり、ふっと気が遠くなるような感覚を覚えるタイプです。立ち上がった際に血圧が急激に下がる起立性低血圧が原因として多く、体内の酸素が不足する貧血や脱水、心臓の病気が関係していることもあります。

症状の特徴から受診すべき診療科を判断する方法

めまいが起きたとき、どこの診療科を受診すればよいか迷う方は少なくありません。症状の特徴から、おおよその受診先を判断することが可能です。
回転性めまいが突然起こり、耳鳴りや聞こえにくさ(難聴)、耳が詰まった感覚などを伴う場合は、耳鼻咽喉科(耳鼻科)への受診が適していることが多いです。バランスを司る耳の器官や神経に関連した疾患が疑われるためです。
一方、めまいとともに手足のしびれや脱力感、言葉のろれつが回らない、物が二重に見える(複視)、激しい頭痛といった症状がある場合は、脳卒中(脳梗塞や脳出血)などの危険な脳や中枢神経の障害が疑われます。この場合は、神経内科や脳神経外科への受診を検討することが重要です。特に急に起こった激しいめまいで、意識を失いそうになる、物が見えにくいなどの症状が加わっている場合は、速やかに救急車を呼ぶなど救急受診することをおすすめします。
ふわふわするめまいが長期間続いていたり、ストレスや不眠、不安感を強く感じていたりする場合は、心療内科や内科での診察も選択肢の一つです。めまいの原因を正確に把握するためには、問診や身体診察に加え、聴力検査や体のバランス感覚を調べる平衡機能検査、頭部MRIなどの画像検査が行われることがあります。自己判断で様子を見続けず、気になる症状があれば早めに医療機関に相談することが大切です。

まとめ

めまいには回転性・浮動性・立ちくらみといった種類があり、それぞれ原因や対処法が異なります。ふわふわするめまいには自律神経の乱れやストレスが関係していることが多く、ぐるぐる回るめまいは内耳の障害や脳の血流異常が背景にあることがあります。日常生活の見直しと並行して、症状が続く場合や神経症状を伴う場合は速やかに医療機関を受診することをおすすめします。

参考文献

日本めまい平衡医学会「めまいの診断基準化のための資料」

慶應義塾大学病院「めまい|患者さんへのガイド」

日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会「めまい・顔面神経麻痺」