”サナエトークン首謀者”はトランプ大統領との親密写真を利用していた!高市総理もハメられた「人脈演出」の実態
松井氏は「大統領就任式に出席」と豪語したが
「実は、トランプ大統領の選対にも関わっていて……」
「疑惑の首謀者」は、そう言って一枚の写真を周囲に見せびらかした。そこには、トランプ米大統領の横で、笑顔で親指を立てる姿が――。
高市早苗総理の名を冠した暗号資産「SANAE TOKEN(サナエトークン)」。発行元の合同会社NoBorder DAO(以下、ノーボーダー)は、暗号資産取扱業の登録がなく騒動となっている。
高市総理はXで関わりを否定したが、本誌の報道で、高市総理の公設第一秘書・木下剛志氏とノーボーダー側がやりとりを重ねていたことが発覚。高市事務所公認のSNSアカウントが宣伝に加担していたことも判明し、違法性が疑われる暗号資産に総理の事務所が関与した重大疑惑として、国会で追及されている。
そのサナエトークン設計者で、高市事務所と連携して自民党総裁選などで「誹謗中傷動画」を手がけたと主張するのが、ノーボーダー幹部の松井健氏(自称33歳)だ。
本誌はこれまで、松井氏の投資トラブルや経歴詐称疑惑を報じてきた。さらに今回、同氏に新疑惑が浮上した。それは、あのトランプ大統領との関係だ。彼は『週刊文春』の取材に、こう話していた。
〈不正選挙を防ぐプログラムの提案を米トランプ大統領の関係者に依頼され、チームで渡米(中略)。メタバース(仮想空間のサービス)の発表会で本人にもお会いし、昨年の大統領就任式には、招待状を得て出席させてもらいました〉(『週刊文春』4月9日号)
「トランプ親密写真」の真相を暴く
松井氏はトランプ氏と収まった写真を周囲に見せ、親密ぶりをアピールしてきた。
筆者はその現物を入手。背景には「CPAC」(保守政治行動会議)の文字が躍る。全米の保守派政治家・活動家が集まるイベントだが、どういう経緯で撮影されたのか。
一緒に写り、「CPAC JAPAN」を運営する、あえば浩明氏に聞いた。
「松井さんは『自分は天才ハッカーで、一度は捕まったが、当局と取り引きし、ホワイトハッカーになった』と自称していました。彼のSpace Viewという会社が、'22年に約10万ドル(約1300万円=当時)を支払い、CPACのスポンサー枠を買った。テキサスで行われたイベントの際、彼の要望を受けて私がかけあったら、運良くトランプさんと写真を撮れた。1回切り数十秒の出来事です」
――メタバースの発表会でもトランプ氏と会っていた?
「スポンサーの権利として、会場外のブースで彼の会社が手がけるメタバースのプロモーションをしていた記憶はあるが、トランプ氏とは何も関係がない。彼に共和党やトランプ選対との直接のつながりはなく、何らかの依頼を受けることもありえないでしょう」
政界のみならず、芸能界の大物にも…
松井氏はイベントでたまたま撮れたトランプ氏との写真を信用構築に利用して、政治家たちに食い込んだのだ。
こうした巧みな「演出力」で政界のみならず、芸能界の大物にも取り入った。
「松井氏が親しいのが、人気ダンスボーカルユニットEXILEのATSUSHIです。都内でバーを共同経営し、ATSUSHIのチャリティ財団のイベント運営にも関わっていた。彼の知名度を利用し、『ATSUSHI WORLD』というメタバース事業を企画し、ATSUSHI側にもプレゼンしたが、頓挫しています」(松井氏と親しい知人)
所属事務所のLDHに事実関係を尋ねると、「ご質問に関わる事業に関わっていないため、いずれもご回答しかねます」と回答した。あくまでATSUSHI個人の付き合いということなのだろう。
【後編記事】『サナエトークンにダマされた高市事務所、背景にコンプラ軽視体質か「政治資金規正法違反を繰り返していた疑いも」』へつづく。
かわの・よしのぶ/'91年、東京都生まれ。早稲田大学政治経済学部を卒業後、「サンデー毎日」「週刊文春」の記者を経てフリーに。主に政治を取材している
「週刊現代」2026年7月20日号より
【つづきを読む】サナエトークンにハメられた高市事務所、背景にコンプラ軽視体質か「政治資金規正法違反を繰り返していた疑いも」

