高校サッカーで熱中症が話題にならない不思議…だから「走らせる」指導方針は変えません【専大松戸・持丸修一 78歳名将の高校野球論】#92
【持丸修一 78歳名将の高校野球論】#92
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サッカーW杯で日本中が沸いています。私も森保ジャパンを応援していますが、夏の千葉県大会に向けた最後の追い込みが最優先。試合は夜のニュースで追っています。
それにしても、サッカー選手の体力はすごい。歩き、ジョギングし、ここぞという場面では爆発的にトップスピードへ。これを目まぐるしく繰り返しながら、90分超も動き続ける。あの運動量には驚かされます。
今大会では前後半それぞれの途中に3分間の「給水タイム」が設けられ、話題になっていると聞く。暑さ対策のためらしいですが、そこで、ふと思いました。
高校サッカーも真夏にインターハイを行っています。あれだけ走り続ける競技なのに、熱中症が大きく報じられる印象はありません。一方、野球は選手が足をつらせたり、体調不良を訴えたりして、試合が中断される場面を毎年のように目にします。サッカーよりも運動量が少ないはずなのに、不思議です。近年の野球界で広がっている「走らせない指導」と、本当に無関係なのでしょうか。
もともと私は、ランニングを重視してきました。これを「古い」と思う方もいるでしょう。それでも、この方針は変えません。「走れば熱中症にならない」などと言うつもりはありませんが、やはり、酷暑の中で戦い抜くための基礎体力につながると考えているからです。
もちろん、昔のように何時間も走らせることはしません。その代わり、練習の合間に短いダッシュを入れたり、30メートルごとに緩急をつけたり。気温や湿度、選手の疲労度を見ながら、その日に適した内容を選びます。“限界”に挑戦させることもしばしばです。
自主練ではなく、全体練習でやらせることにも意味がある。人の目があるだけで、最後の一本の粘りは変わるものです。
ほかにもメリットは盛りだくさん。投げたり、打ったりする場面では目立てなくても、一生懸命に走ることは誰にだってできます。だからこそ、ベンチ入りの当落線上にいる選手は、それはもう必死になる。その姿が周囲の危機感や競争心を刺激し、チーム全体にも活気が生まれます。
日々の練習でどれだけ妥協せず取り組めるか。その積み重ねが、我々指導者にとっても、メンバー選考の判断材料になることもあります。
そんなことを考えながら、今日も選手を走らせ、酷暑の夏に挑みます。
(持丸修一/専修大松戸 野球部監督)
