吉田鋼太郎さん(左)と舘ひろしさん(右)(撮影:木村直軌)

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〈発売中の『婦人公論』7月号から記事を先出し!〉6月公開の映画で初共演した舘ひろしさんと吉田鋼太郎さん。《ダンディ》を地で行く舘さんの指南により、吉田さんはとある「人生初体験」をしたそうで……(構成:上田恵子 撮影:木村直軌)

【写真】舘さん行きつけのテーラーで作った人生初のオーダーメイド!と語る吉田さん

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<前編よりつづく>

ハングリー精神はもういらない!?

吉田 昔の自分との違いで言うと、なにくそ、というハングリー精神はだいぶなくなりました。

舘 もういらないでしょう?

吉田 そう、いらなくなっちゃった。42〜43歳頃までは、ハングリー精神に加えて、自分さえ目立てばいいという気持ちがありました。そのぶん毎日楽しかったですが、家族を含め、まわりはたまったもんじゃなかったと思います。

それが最近はなくなってきて、綺麗事を言うみたいですけど、「作品はみんなで作るものだ」ということがわかってきた。もちろん自分の役をちゃんとやる努力は変わらずしていますが、「俺が俺が」はなくなってきたかなと。

舘 それでいいんじゃないですかね。あと、よく取材で「現役で仕事を続けるために、心がけていることは何ですか?」とか聞かれるんだけど、僕は何も考えていなくて。

刹那主義というのか、その場限りで今まできちゃったから、計画が立てられない。無計画。腹筋も、朝起きるときに半分と、寝るときに半分、計1回しかしていない。(笑)

吉田 それでこのスタイルが保てているんだから、すごいですよ。僕の場合は、幼い子どもが2人いるので、体を使う機会は多いですね。抱っこしたり、あやしたり、ミルクをあげたり、おしめを替えたり、それが結構な重労働。もう毎日が戦争で、自分のことをやる時間なんてほとんどない。

汗だくで世話をしていますが、それが体にも脳にも心にも、いい影響を与えている気がします。

舘 いいですねぇ。

吉田 あと何を言っているかわからない、幼児の言葉を解読する作業も新鮮です。固まっている頭に新しい言語が入ってくるのがすごく楽しい。イヤでも頭を働かせないといけないので。

普通は30代くらいで経験することですが、それを今の年齢でさせてもらえている。本当に神さまに感謝です。


「本作は免許返納の話ですが、僕自身に返納する気はまったくない」(舘さん)「舘さんも僕も、車が好きですからね!」(吉田さん)

運命めいた何かを感じて

舘 僕は以前、映画『免許がない!』で、教習所に通う俳優・南条弘を演じました。それが三十余年という長い月日を経て、南条が免許を返納する物語『免許返納!?』として帰ってきた。俳優として歩んできた僕の人生を象徴しているようで、どこか運命めいたものを感じているんです。

吉田 僕は南条が所属する芸能事務所の社長を演じていますが、お話をいただいたときは、正直及び腰になりました。あの「舘ひろし」と共演か……! と。

やるしかないと思いつつ飛び込んでみれば、最初のシーンからこちらを気遣って優しくしてくださって。おかげで撮影中はずっと楽しかったですし、いろいろなことを学ばせていただきました。

舘 こちらこそですよ。ただ本作は免許返納の話ですが、僕自身に返納する気はまったくない。それなのになぜ、この映画のオファーを受けちゃったのか……。

吉田 ワッハッハ! 舘さんも僕も、車が好きですからね!

舘 ちょうど映画『帰ってきたあぶない刑事』を撮っていたときにプロデューサーが来て、「舘さん、『免許がない!』のアナザーストーリーをやりませんか」って聞かれたんです。それで思わず「やる!」って言っちゃった。

僕も今後、運転していて何か失敗したら免許を返納しようと思っていますけど、今のところは大丈夫。まあ僕が運転するのは、都内のゴルフ練習場に行くときくらい。近距離のみだからね。

吉田 僕も舘さんと一緒で、「ちょっと今のまずくない?」と思うようなミスをしたら返納すべきだと思ってます。人様を傷つけたら大変ですからね。

ただどこかで、運転がちゃんとできるかどうかが現役としての最後の砦みたいな思いもあって。なるべく、その砦を崩したくない、だから頑張ろうという気持ちもありますね。

舘 劇中では、ひょんなことから南条が免許の自主返納へと追い込まれるんですが、一方で真っ赤なフェラーリを乗り回し、『あぶない刑事』を彷彿させるバイクのハーレーも登場すれば、カーアクションもある。この迫力は、映画館のスクリーンで楽しんでいただけたら、すごく嬉しいよね。

吉田 はい、見どころは「舘ひろし」です。ぜひご覧ください!