ジャイアーノこと中嶋裕樹副社長率いる「チームTR」がカスタムした北米生産「カムリ」。ブラックボディと迫力の竹槍マフラーが強烈な存在感を放つ。

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黒塗りボディにFR化・MT化 ジャイアーノ流カムリの中身とは

 2026年6月5日から7日に開催された「スーパー耐久シリーズ2026 第3戦 富士24時間レース」のイベント会場で、トヨタの社内企画「喧嘩3番勝負」の最終戦となる「北米生産カムリ カスタム対決」が開催されました。

 同年1月開催の「東京オートサロン2026」から続くこの企画の第3弾として実施されたもので、モリゾウこと豊田章男会長が率いる「チームGR」と、ジャイアーノこと中嶋裕樹副社長が率いる「チームTR(トヨタレーシング)」が、それぞれ独自にカスタマイズした北米生産「カムリ」を披露しました。

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 なかでもチームTRが製作したカムリは、迫力あるエクステリアや大胆なメカニズム変更など、従来のカムリのイメージを覆すような仕上がりとなっており、多くの来場者の視線を集めました。

 カムリはトヨタを代表する世界戦略セダンとして知られ、1980年に初代「セリカカムリ」として誕生しました。

 その後、1982年にFFレイアウトを採用した2代目から現在につながる「カムリ」となり、世界市場へ展開。2023年まで日本国内では10世代にわたって販売されてきました。

 しかし国内でのセダン需要低迷を背景に、2023年12月をもって国内向け生産を終了し、一度その歴史に幕を下ろしました。

 一方で、カムリは現在も北米を中心に100以上の国と地域で販売されており、世界的にはトヨタを代表する人気モデルであり続けています。

 北米では2023年に11代目となる現行モデルが発表され、グローバルモデルとして進化を続けています。

 そんなカムリですが、日本市場への復活も現実味を帯びてきました。2026年4月2日、同年2月に施行された新制度を活用し、米国工場で生産した「タンドラ」と「ハイランダー」を日本へ導入すると発表。

 この制度は、米国で製造され米国の安全基準に適合した車両について、日本国内で追加試験を行わず販売できる仕組みです。

 トヨタは以前からこの制度を活用した米国生産車の日本導入を検討しており、タンドラ、ハイランダーに続く第3のモデルとしてカムリも準備を進めていることを明らかにしています。

 リリースでは「カムリについては準備が整い次第、販売を開始する予定」と説明されており、今回のスーパー耐久のイベントでも中嶋副社長から導入計画が語られました。

 イベントでは、アメリカ生産のノーマルカムリを右ハンドル仕様として日本へ導入する方針も示され、目標時期は「2026年秋頃」、販売目標は「年間1万台」とされています。

 そんなカムリの日本復活に向けた動きが進むなかで開催されたのが、今回の「北米生産カムリ カスタム対決」です。

 単なるショーカーのお披露目ではなく、北米で高い人気を誇る現行カムリの新たな魅力や可能性を日本のユーザーに示すことも、この企画の大きな目的の1つでした。

 会場には、モリゾウ率いるチームGRと、ジャイアーノ率いるチームTRが製作した2台のカムリが並びましたが、その方向性は大きく異なっていました。

 チームGRのカムリが、スポーティさと市販化の可能性を意識した王道のカスタマイズを採用したのに対し、チームTRのカムリはクルマ好きの感性を刺激する大胆な発想を前面に押し出した仕様となっていました。

 なかでも来場者の注目を集めたのが、ジャイアーノこと中嶋副社長が率いるチームTRのカムリです。

 まず目を引くのは、迫力あるエクステリアです。ボディカラーはブラックで統一され、ビス止めオーバーフェンダーを装着。フロントには巨大なチンスポイラー、リアには大型スポイラーが備えられています。

 さらに竹槍マフラーを連想させる特徴的なエグゾーストを採用するなど、かつての日本のカスタムカー文化を彷彿とさせるスタイルが取り入れられました。

 どこか懐かしさを感じさせるデザインでありながら、現代のカムリをベースとして成立させている点が、このクルマの大きな魅力です。

 内装も強烈なインパクトを放っています。シャンデリアやクリスタルシフトノブが装着され、さらにはバーボンのグラスまで配置されるなど、ショーカーとしての演出を徹底。一般的なカスタムカーの枠を超えた独創的な世界観が表現されています。

 しかし、本当に注目すべきなのはメカニズムです。チームTRのカムリには、現在開発中の新たな2リッターターボエンジンが縦置きで搭載されています。

 これに伴って、本来FFレイアウトのカムリをFR化し、さらにMT化まで実施するという大規模な改造が施されました。

 近年の量産セダンでは効率や快適性が重視される傾向がありますが、このカムリはドライバーが操る楽しさを追求した仕様となっています。

 単なる見た目重視のショーカーではなく、「運転して楽しいセダン」を本気で形にした一台といえるでしょう。