@AUTOCAR

写真拡大 (全5枚)

R8後継のフラッグシップモデル

アウディは、合計出力1001psを誇る限定生産の新型V8ハイブリッド・スーパーカー『ヌヴォラーリ(Nuvolari)』を発表した。『R8』よりもさらに限定的なフラッグシップモデルであり、同社の「未来に対する声明」でもあるという。

【画像】アウディからR8後継となる衝撃的なスーパーカー登場!【アウディ・ヌヴォラーリを詳しく見る】 全22枚

ミドシップのツインターボ4.0L V8エンジンに3基の電気モーターを組み合わせたヌヴォラーリは、アウディ史上最速かつ最もパワフルな市販車となる。アクティブエアロダイナミクス、カーボンファイバー製ボディ、トルクベクタリング四輪駆動システムなど、F1にインスパイアされた技術を採用している。


アウディ・ヌヴォラーリ    アウディ

来年初頭に発売予定で、生産台数は499台限定。今回公開されたのは市販仕様に近いプロトタイプだが、昨年の『コンセプトC』で示されたアウディの新しいデザイン言語を採用している。

アウディのゲルノート・デルナーCEOは、「技術、パフォーマンス、チームワークによる実行力に注力し、技術革新を加速させています」と述べた。

ランボルギーニのエンジニアも参画

新時代のラインナップのフラッグシップとなるヌヴォラーリは、価格面でもコンセプト面でも、2024年に生産終了したR8よりも上位に位置づけられるだろう。R8が、ランボルギーニ・ガヤルドやウラカンと技術基盤を共有していたのと同様に、ヌヴォラーリもテメラリオとパワートレイン技術を共有している。

R8の名を復活させるのではなく、また従来の英数字によるネーミング方式からも離れ、戦前のグランプリレーサーとして大きな成功を収めた人物であり、後にアウディの前身であるアウトウニオンでも車両を駆ったタツィオ・ヌヴォラーリ氏にちなんで名付けられた。


アウディ・ヌヴォラーリ    アウディ

ヌヴォラーリは2025年3月に開発が承認されてから約1年2ヵ月で完成に至った。このスケジュールは、アウディのF1参戦に間に合うように設定されたものだ。

新たにアウディの技術責任者に就任したルーヴェン・モール氏(以前はランボルギーニでテメラリオの開発を統括していた)は、ヌヴォラーリの開発について「我々チーム全体の技術的な専門知識、革新的な強み、そして献身的な姿勢をあらためて示しました」と述べた。

モール氏はAUTOCARの取材に対し、アウディ、F1チーム、ランボルギーニのエンジニアが参加する「ブランド横断型チーム」によって開発されたと語った。

「コンセプトCは新しいデザイン言語『ラディカル・ネクスト』を具現化したものですが、その理念はデザインにとどまらず、製品や技術そのものにも及びます」

テメラリオを出力で上回るパワートレイン

パワートレインはテメラリオと同じ4.0L V8エンジンをベースとしており、単体で800psと74.8kg-mを発生し、最高回転数は1万rpmに達する。これに、それぞれ150psを発生する3基のアキシャルフラックスモーターが組み合わされている。

モーターのうち2基はオイル冷却式でフロントアクスルに搭載され、最大219kg-mのトルクを発生する。3基目のモーターはミドシップ配置のV8エンジンとトランスミッションの間に搭載されている。各モーターは7.3kWhのバッテリーから電力を供給されるが、テメラリオの3.8kWhユニットより大容量化している。


アウディ・ヌヴォラーリ    アウディ

システムの合計出力は1001psに達する。エンジンとモーターの個々の出力はテメラリオと同等であるにもかかわらず、合計値は81psも上回っている。この差は、特注のトルクマップとソフトウェア、そして大容量バッテリーによるものだ。

ヌヴォラーリの0-100km/h加速は2.6秒と、テメラリオより0.1秒速い。さらに0-200km/h加速は6.8秒、最高速度は350km/hを超えるという。

モール氏は次のように述べている。

「2台のキャラクターはまったく異なる。実際に運転してみれば、パワートレインに類似点があるとは気づかないでしょう。そんな考えは決して浮かばないはずです。なぜなら、このクルマはまさにアウディの視点から設計されているからです。リラックスしながらも速く走れる非常にダイレクトな感覚を与えてくれますが、必要とあれば猛烈な速さで走ることもできます。アウディは常に、日常的な実用性と極めて高い精度を両立させなければなりません」

アクティブエアロに次世代四駆システム採用

このハイブリッドパワートレインには、「クワトロ・プレディクティブ・ライド」と名付けられた先進的なトルクベクタリングシステムが搭載されている。アウディはこれを「次世代の四輪駆動」と呼んでいる。

クワトロ・プレディクティブ・ライドは基本的に、ステアリングの操舵角、加速度、ヨーレート、グリップを測定する各種センサーからのデータを活用し、必要に応じて各車輪にトルクを配分するものだ。フロントモーターを制御することでこれを実現し、必要に応じてブレーキを利用したり、アクティブエアロダイナミクスを調整してスリップを低減したりすることもできる。


アウディ・ヌヴォラーリ    アウディ

ドライブモードは、「Eハイブリッド」、「バランス」、「ダイナミック」、「ダイナミック+」、「トラック」の5種類で、ステアリングホイールに備わったダイヤルで選択可能だ。

エネルギー管理システムにより、走行状況、グリップレベル、そして「ドライバーの意図」に合わせて、コースティングや回生ブレーキを組み合わせながらエネルギー回生効率を高める。

フロントモーターは、フロントアクスルにおける制動エネルギーの大部分を担っており、電動で最大0.3gの減速力を生み出すことができる。ローンチコントロール機能も蓄積された電気エネルギーを活用し、最大限の加速を実現する。

(翻訳者注釈:この記事は「後編」へ続きます。)