脳科学者の茂木健一郎氏が、自身のYouTubeチャンネル「茂木健一郎の脳の教養チャンネル」で「日本アニメの魅力の秘密は、どこにあるのか?」と題した動画を公開。日本のアニメがなぜ世界中の人々を魅了するのかについて、脳科学的な視点から「統合」と「なごみ」というキーワードを用いてその秘密を解説した。

動画の冒頭で茂木氏は、生成AIでスタジオジブリ風の画像を作ることが流行した現象に触れ、日本アニメの世界的な影響力を指摘。その上で、実写で見るよりもアニメで描かれた日本のありふれた風景の方が「すごく心に染み入る」という不思議な感覚について言及し、魅力の源泉を探る。

茂木氏は、この魅力の秘密を「統合」という概念で説明。「アニメ風っていうのは、いろんな人の顔のデータがそこに混ざって統合されてる。なごみの状態になってる」と語る。我々の脳は、特定の個人の時々刻々と変化する表情を無意識に統合し、ある種のテンプレートとして認識しているという。アニメのキャラクターはその「テンプレートに一番近い」ため、より心に響くのだと分析した。

さらに、『となりのトトロ』のサツキとメイを例に挙げ、「ある具体的な女の子を描くということよりも、女の子というものの存在を統合的に表現している」と指摘。キャラクターは「1人でありながら100人、1000人」もの存在を内包する「黄金の平均」のような状態にあり、だからこそ普遍的に多くの人の心に訴えかけるのだと自身の見解を示した。

最後に茂木氏は、この「統合」という考え方が、国歌「君が代」が読み人知らずであることに象徴される日本文化の「なごみの道」に通じると論を展開。「様々な経験が合流して、一つになってる」状態こそが日本アニメの表現の核心であり、それこそが我々の心に感動を届ける「なごみの光」であると結論づけた。

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