久々に長時間プレーした後藤。残り2試合、J1昇格に向けてさらなる奮起に期待がかかる。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

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[J2第40節]磐田 1−1 東京V/10月28日/ヤマハスタジアム

 ジュビロ磐田はホームのヤマハで東京ヴェルディと1−1の引き分け。51分、ロングカウンターから先にゴールを許した磐田だが、69分にDF松原后のシュートのセカンドボールを拾ったドゥドゥとのパス交換から、上原力也が狙い澄ました左足のシュートでGKマテウスを破った。
【動画】上原力也のスーパーゴール!
 それぞれが勝点1を分け合う結果となり、ロアッソ熊本に1−3で敗れた2位の清水エスパルスを順位で逆転することはできなかった。5月に味の素スタジアムで行なわれた前回の対戦時より磐田の成長も感じたが、それは相手側の東京Vも同じであり、お互いに勝ち切ることはできなかった。

 磐田の横内昭展監督はホームの後押しに感謝しながら「ビハインドから同点に持ち込み、ひっくり返したかったですけど、本当に最後まで選手は死力を尽くして戦えた」と語る。

 磐田にとって痛かったのは、1トップで起用されたFWジャーメイン良が足のアクシデントで、開始9分に交代を強いられたこと。横内監督は18歳の後藤啓介を投入した。

 負傷した前回の東京V戦を最後に、ここまですべて途中出場だった後藤にとって、リーグ戦では約半年ぶりに長い時間をプレーすることになった。副キャプテンでもある右サイドバックの鈴木雄斗は「入ってきてすぐは、足にボールがつかないとか、身体が動いてない感じもありましたけど、チームのやるべきこともやってくれていた」と語る。

 後藤は「最初からギアを入れすぎて、足がつってましたし、連続性という場面で最後に入りきれなかったことが多かった」と振り返ったが、時間と共に前からの守備やボールを収めるところで、チームのベクトルを前向きにする役割をしっかりと果たせるようになっていた。

 東京Vが磐田のビルドアップに対して厳しいプレスをかけてくるので、アクセントでFWにボールを当てるという選択が大事になってくる。

 最初は東京Vのセンターバック陣に跳ね返されて、そのボールを拾われるというシーンが続いたが、徐々に縦のボールを効果的に引き出して、周りの選手たちに前を向かせる仕事ができるようになると、磐田に主導権が移った。
 
 失点の時間帯も磐田が攻めて掴んだCKからのカウンターだっただけに、慌てることなく反撃に出た。そこから2列目に投入された古川陽介や藤川虎太朗の前向きなパワーも活かす形で、同点に持ち込んだことはポジティブだ。

 そこから勝ち切るところで、後藤を含めた最後の決め切るところは残り2試合に向けて、もう一度突き詰める必要があるだろう。

 14本のシュートで枠内が3本という結果もそうだが、相手のブロックが構えているところから、もう1つ潜って良い形に持ち込むなどのアイデアとクオリティが求められる部分でもある。

 後藤は古川が入ったところから、ワイドに動かす、できるだけ真ん中で待つというのをトレーニングの通りに実行したという。ただ結局、良い形からのフィニッシュのシーンは無かった。

「陽介君が持った時のアクションをもっともっと増やしたいけど、(上原)力也君と目が合って、良いボールが出てきたので。あれは増やしていきたいと思いました」

 そう語る後藤は、自分の動き出しの質を高めることに加えて「練習からもっとみんなの信頼を掴まないとダメだなと思うし、それができれば自然とボールが出るので。もっと練習からアクションを起こして、チームから信頼されるプレーができればと思います」と意欲を示す。

 負傷具合によるが、ここまで多くの試合でスタメンとして前線を引っ張ってきたジャーメインが、残り2試合で出られない可能性もある。コンディション不良からようやく戻ってきたFWファビアン・ゴンザレスも、前節の徳島ヴォルティス戦から2試合続けて出場したが、プレー時間から考えてもスタートから使うのは難しい。

 そうした状況で、後藤に改めて期待されるところは大きい。常に心がけている守備のハードワークも、東京Vを相手に長い時間しっかりやり切ることができた。

 CKのカウンターから失点したシーンに関しては「もっともっと切り替えを早くして、やっていかないといけない」と反省する後藤だが、残り2試合に向けては手応えを感じている。
 
「長い時間、出るための試合感というのは掴めた感覚はあるので、残り少ないですけど、その感覚を忘れずに、もっともっとチームのために貢献できたらいい」

 そう前を向く後藤だが、残り2試合を勝って、他会場の結果を待つだけという状況については「まあ、面白くなったんじゃないですか」とポジティブマインドの18歳らしく言い残し、チームバスに乗り込んだ。

取材・文●河治良幸