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コロナ禍では思わぬところまで影響が及んでいます。男女関係も例外ではありません。ツイッターでは、次のような投稿が話題になっていました。

「弊社・・・ 濃厚接触者の特定で社内恋愛がバレる案件が発生してる」

「コロナ禍」に「仲良くなった」(ことがわかった)ということで、「コロ仲」というワードまで登場しているようです。

話題になった投稿に対して、「社内恋愛禁止だったら」と心配する声もありました。もしも、今回のようなケースで、社内恋愛がバレてしまった場合、会社から叱られたり、昇進や異動に影響したりするのでしょうか。男女問題にくわしい山口政貴弁護士に聞きました。

●「社内恋愛禁止」の就業規則は無効

――「社内恋愛禁止」を就業規則に盛り込むなどして、実際に禁止することは法的な問題はないのでしょうか?

就業規則は、社員の行動すべてを制約できるものではありません。あくまでも就労上の条件などについて作られるものであり、就労と関係なかったり、合理性を欠いたりするような内容の規則は無効となります。

社内恋愛についてですが、そもそも男女の恋愛については就労とはまったく関係ありませんし、また、誰と交際するかという点は、完全に個人の自由に委ねられるものです。したがって、社内恋愛を禁止する就業規則は無効になる可能性が高いでしょう。

――もしも、社内恋愛が会社にバレて、止めるよう言われたり、異動させられたりした場合、どうしたら良いのでしょうか?

先述したように、そもそも社内恋愛禁止という就業規則は無効となる可能性が高いですから、社内恋愛を止めろという業務命令や、社内恋愛のみを理由とする異動も無効となるでしょう。

●「コロ仲」が不倫だったら?

――中には、不倫がバレるケースもネットで報告されています。社内恋愛が「不倫」だった場合はどうでしょうか?

不倫行為自体は違法でありますが、ただ、就業規則で制限したり、不倫を理由として処分したりできるかとなると、それは別問題です。不倫行為自体は完全にプライベートの話ですので、不倫行為があったからと言って一律に従業員を処分できるわけではありません。

会社が従業員を処分できるのは、あくまでも「会社の業務に支障が生じた場合」に限られます。ですので、不倫行為によって会社の運営に具体的な影響を与えた場合に限って、処分は有効となり、会社の運営に影響がない場合は処分は無効となるものと思われます。

【取材協力弁護士】
山口 政貴(やまぐち・のりたか)弁護士
サラリーマンを経た後、2003年司法試験合格。都内事務所の勤務弁護士を経験し、2013年に神楽坂中央法律事務所を設立。離婚、婚約破棄等を専門に扱っており、男女トラブルのスペシャリストとしても知られる。
事務所名:神楽坂中央法律事務所
事務所URL:http://www.kclaw.jp/index.html