モテるどころか逆効果…初デートの待ち合わせで、女が冷めた男の行動とは
「この子、俺に気があるんじゃ…?」
男は何故すぐに、そう思い込んでしまうのだろうか。
周囲を見渡して見ても、やはり女性より男性の方が“脈あり”を客観的に判断できない傾向にあるように思う。
今この瞬間も、男たちの一方的な勘違いにより被害を被るアラサー女子は後を絶たない。
これまで高級鮨屋での惨劇、勘違い既婚男をお届けした。さて、今週は?

【今週の勘違い報告】
名前:小山千夏(仮名)
年齢:28歳
職業:外資系IT企業
勘違い報告Vol.3:「男性の“俺ってすごいだろ?”アピールって、逆効果だと思うんです」
「男の人って、どうしてあんなに自慢が好きなんですかね…?」
今回の報告者・小山千夏は、冒頭からかなりうんざりとした表情で口を開いた。
紀尾井町ガーデンテラスの『ガーブ セントラル』。オフィスを抜けてきたという彼女は、心を落ち着けるかのようにカフェラテをゆっくりと啜っている。
「私の性格が悪いのかな?(笑)男の人があからさまに“褒められたいオーラ”を出してくると、その瞬間にスーッと冷めちゃう。すごいですね!さすがです!って言って欲しいんだなってわかればわかるほど、絶対に言いたくなくなるんです」
前髪をふわりとかきあげ、「あはは」と乾いた声で笑う千夏。
彼女は自分を“性格が悪い”と評したが、決してそんな風には見えない。綺麗に並んだ白い歯が眩しい。さっぱりとした性格が、そのヘルシーな外見にも表れているようだ。
そんな千夏が思わずこんな風に愚痴ってしまうのには、当然、理由がある。
彼女は先週、会社の先輩から紹介され、イベントプロモーション会社を経営する飯田哲平(35歳)とデートをした。
紹介してくれた先輩からの前情報によれば、大手広告代理店から若くして独立したイケメンという話。それゆえ千夏もかなり前向きなテンションだったのだが…。
「紹介してくれた先輩には悪いけど…すでに待ち合わせの時点で、私のテンションはだだ下がってしまいました」
飯田哲平の勘違い自慢は、まず待ち合わせ段階でスタートした
“土曜 19時 六本木ヒルズの『鳥おか』で”
事前のやり取りでは、そう決まっていた。
もともとその日ヘアサロンに行きたいと思っていた千夏は、表参道・骨董通りの美容室を16時に予約。
セットしてもらい、綺麗なままの状態でヒルズへタクシーで向かい、約束の時間まで時間を潰していようと考えていた。
ところがどういうわけか千夏がヘアサロンを出て、タクシーを拾おうとしたそのタイミングで飯田からLINEが届いたのだ。
“千夏さん、今どこにいますか?”
“僕は今、オフィスから車で六本木に向かうところです”
“もし良かったらどこかでピックアップしましょうか”
細切れに届いた飯田からの提案。
−いや、逆に面倒臭くない…?
それが正直な感想だった。
骨董通りからヒルズまで、タクシーに乗ってもたいした距離ではない。飯田のオフィスがどこにあるのかも知らず、何分後に来るかわからない迎えの車を待つ方が面倒である。
しかし「大丈夫です」と断ろうとして、千夏はハタと手を止めた。
「ああ、そういうことかって気づいたんです。飯田さんは私に車を見せたいんだなって。そういうことなら、誘いに乗ってあげた方がいいんだろうなって」
飯田の“目論見”を察した千夏は、無表情のまま指先を動かす。
“わ♡嬉しいです。ありがとうございます。骨董通りのスタバのあたりで待ってます!”
「わざわざ車を見せに来るわけだから、まず間違いなく高級車ですよね。2,000万円くらいするあの車…?なんて予想しながら、彼の到着を待ちました」

そして、そのおよそ10分後。
骨董通りのスターバックス前には、予想通りの高級車が到着した。
先輩の根回しにより、二人は初対面ではあるもののお互いの顔を知っていた。
まずは開いた窓越しに初対面の挨拶を済ますと、千夏はわざわざ迎えに来てくれたことへの礼を述べながら助手席へと乗り込んだ。
「私は車にまったく詳しくないですが、内装をパッと見てすぐグレードの高いものなんだとわかりました。ああ、これが見せたかったのか…と。 “すごーい、素敵ですね!”って、ちゃんと言いましたよ(笑)」
呆れ笑いを浮かべながら、千夏は言葉を続ける。
「そこまではまあ、良かったんです。たとえ車自慢だったとしても、迎えに来てくれた男気というか優しさに対しては私だって素直に喜びます。だけどその後が…」
そう言うと千夏は、思い切り顔を歪めて不快感を露わにした。
「運転がめちゃくちゃ荒かったんです、彼。狭い路地なのにすごいスピード出すし、人が横切ると譲るどころか舌打ちしたり。私、途中で怖くなっちゃって…。せっかく高級車で迎えに来てくれてもこれじゃあ台無し。むしろ逆効果ですよ」
−初対面の女性を乗せているのに、この運転って…。
千夏は飯田の人格にさえ疑いを抱いてしまい、食事にたどり着く前からもう帰りたくなってしまったという。
しかし飯田はそんな彼女の様子にまるで気づかない。ご機嫌な様子で鼻歌を歌いながら、しきりにプレイリストを変更してみせるのだった。
荒い運転にヒヤヒヤしながらたどり着いた六本木ヒルズ。そして次は新たな自慢が始まる…!
飯田の荒い運転にヒヤヒヤしながらたどり着いた『鳥おか』だったが、食事の席は意外にも和やかムードで始まったという。
「飯田さん、30歳で広告代理店から独立したらしいんです。若いうちから自分でビジネスをしているだけあり、話題も豊富で女性の扱いも手馴れていました。なので私もだんだん楽しくなって、荒すぎる運転で受けたダメージも少しずつ回復していたんです。でも、そんな矢先…」

飯田は、帰りはタクシーで帰るからと一緒に赤ワインを飲んでいた。それは、何度か追加した赤ワインのグラスが再び空になったとき。〆の土鍋ごはんが登場した後のことだ。
少しばかり饒舌になった飯田が突然、それまでの会話の流れを変えた。
「そうだ、俺さぁ…あ、ちょっと企業名とかは言えないんだけど…今度ちょっと派手な仕事任されたんだよ。某大使館で開催されるレセプション。これが担当する商品なんだけど…ほら、これ。多分、千夏ちゃんも知ってるんじゃないかな?」
飯田はもったいぶった様子でスマホを取り出すと、千夏に画面を見るよう促す。
千夏としては、特に興味などない。しかし飯田の勢いに圧され、渋々彼のスマホを覗き込む。するとそこにあったのは…誰もがよく知るハイブランドの新作香水の画像だった。
−え…!これ、私なんかに見せていいの?企業名言えないと言いながら、完全にわかっちゃうし…!
機密保持とかないのだろうか。ただもったいぶっているだけ…?
理解しかねる飯田の言動に、千夏は一人困惑する。
しかし飯田はというと何の悪びれもなく、満足げな表情で千夏を見つめている。「俺って凄いだろ?」と言わんばかりに。
「凄い…さすがですね」
もはや定型文のように、千夏はその言葉を口にしたと言う。そして同時に心の中で、こうも呟いた。
−ああ…私、この人無理。
「とにかく女性に“凄いですね、素敵ですね”って褒めてもらわないとダメな男なんだなって…さっきも言いましたが、私、そういう男の人が心底苦手なんです」
先輩の顔を潰すわけにはいかないと、千夏は一生懸命に不快な感情を隠し、店を出るまでは微笑を顔に貼り付けその場をやり過ごした。
しかし二軒目の誘いはもちろん断り、そそくさと一人タクシーで帰宅したという。
「どんな高級車に乗っていようが、運転の荒い男を素敵だなんて思うわけない。どんなに大きな仕事をしていても、機密事項をお酒の席で女に漏らすなんてもってのほか…頭の悪い人じゃないんだから、そのくらいわかるはずじゃないですか?
それなのにこういう“勘違い自慢”をする男性の思考回路って一体…ただただ謎です」
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その自信はどこから?「俺の連絡待ってたよね」男

