海洋分解性プラの「ISO規格」検討、見え隠れする欧州化学業界の思惑
18年6月にはドイツ、イタリアのほか、英国、フランスなどが海洋プラスチック憲章に署名。プラスチックの海洋漏出防止や環境に優しい処分方法の確立などを目指す同憲章に基づき、欧州などで規制強化が進むと見られ、規制には策定中のISO規格も関連付けられる可能性がある。
一連の動きには、次世代素材で主導権を握りたい欧州化学業界の思惑が見え隠れする。ノバモントやBASFは既に、自国発の評価方法に基づき多様な試験データを蓄積しているとみられ、規格が普及すれば先行優位性が働くことになる。海洋プラ問題への急速な関心の高まりについても「(シェア拡大を狙う)欧州のイメージ戦略」(同じ専門家)と見る向きもある。
現時点では、日本は静観姿勢を保つ。政府は6月時点では同憲章への署名を見送り、産業界も海洋分解性プラの市場性が未知数なため、国際規格策定への関与は限定的だ。ただ「ドイツやイタリアが自国に不利な規格を作るはずがない」(同)のも事実。非接触型ICカードのように、欧米勢の巧みな標準化戦略に対し日本が後手に回った例は少なくない。新たな素材の実質的なルールになり得る規格の策定に対し、官民が連携し一定の影響力を確保したいところだ。
(文=藤崎竜介)
