オシムJの“水を運ぶ人”に俊輔「嫌な仕事もできる人間性」、巻「気遣いができる」
オシムジャパン時代に日の丸を背負った仲間たちも集結した。MF鈴木啓太の国際Aマッチ出場は28試合。2006年にイビチャ・オシム元監督率いるA代表に初招集されると、オシムジャパンで唯一、全20試合に先発出場。チームのために献身的に走るボランチをオシム元監督が「水を運ぶ人」と表現したことも記憶に新しい。
同じく、オシムチルドレンの代表格だったFW巻誠一郎は「ああいうプレースタイルはチームになくてはならない大切な存在。ピッチ内外で気遣いができる選手」と汗かき役の仕事ぶりを評し、「(鈴木啓太がいると)攻撃の選手にとっては安心感があるので、みんなが思い切ってプレーができる」としみじみとした口調で語った。
当時はセルティックに所属し、海外組として日本代表に招集されていたMF中村俊輔は「(オシムジャパンで)最初から啓太だけは軸だった。啓太は自分の位置や役割を一歩引いて見られる選手だった」と10年前の記憶をたどった。
「啓太はサッカーをよく知っている。ただ前の選手を後ろで操縦するだけじゃない。闘莉王が出て行ったら『お前出て行くなよ』ってなるはずなのに、真っ先に後ろに下がる。そんなのやりたくないでしょ?チームのバランスを見て、嫌な仕事もできるのが啓太の人間性だと思う」。プレーにも滲み出る人柄。現役時代、黒子役に徹した背番号13は国内外から50人以上のレジェンド、25000人を超えるサポーターを集め、俊輔は「だから今日、こんなに集まったんだと思う」とその人徳にうなった。
※敬称略
(取材・文 佐藤亜希子)
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