「リオデジャネイロオリンピック2016」の日本のメダルラッシュの立役者は、なんといっても「柔道」! 礼に始まり礼に終わるその姿勢も、まさに日本らしいスポーツです。今回、日本人が柔道で獲得したメダルは、12個。男子柔道は1988年のソウルオリンピック以降、初めて全階級でメダルを手にするという快挙です。まさに王者に返り咲いた日本の柔道。今回はその「柔道」の歴史に迫ります。


「柔道」の最高段位の帯は、「黒帯」じゃなかった!?



日本発祥の格闘技である「柔道」。
今では世界中、子どもからお年寄りまで多くの人が行っている世界的なスポーツです。
柔道が今のような形で定着したのは明治時代のこと。
嘉納治五郎という人物が作り上げたものです。

治五郎の作り上げた柔道は、単純に格闘技やスポーツとしてのものだけではありません。
力でねじふせることが目的ではなく、お互いに切磋琢磨し、健康な精神と身体を培うこと……そして社会に貢献する人物を作ること。
それが柔道にとって何よりも大事なことなのです。

ところで、柔道といえばパッと思いつくのが、あの「道着」と「帯」ではないでしょうか。
帯は、段位によって色が違うのは皆さんご存知のことと思います。
四級以下は、白帯。
三級から一級は、茶帯。
初段から五段は、黒帯。
オリンピックなどでは黒帯を付けている選手がほとんどですよね。

柔道の帯は、もともと基本的に洗濯はしないものでした。
帯がほどけやすくなってしまうと考えられていたからです。
洗わずに稽古を続けていると、最初は白かった帯が汚れ茶色に、そして熟練者になれば黒くなっていきます。
こうした意味から、帯は白、茶、黒と段位によって色が変わっていくのです。

ですが、実は黒帯よりも段位が上の帯があるのをご存知でしょうか。
六段から八段は「紅白帯」。赤と白の帯です。
さらにもっと上、九段と十段は、真っ赤な帯である「紅(赤)帯」をつけます。
これらは稽古の末、真っ黒になった帯が、血のにじむような努力で赤くなる、という意味の赤。
でもなぜ、世界の強豪が揃うオリンピックでは、みな黒帯なのでしょうか。

それは、実は紅白帯や赤帯はある一定の年齢以上でないと付けることができないから。
年齢とあらゆる条件をクリアしないともらえない「紅(赤)帯」は、競技の現役中に到達できる帯ではありません。
現在、存命の十段はなんと3名。
柔道120年の歴史でも取得者は15人しかいないというのですから、驚きです。

帯の色の汚れとともに、心身ともにたくましくなっていく柔道。
まさに、日本人らしいスポーツといえますね。

文/岡本清香

TOKYO FM「シンクロのシティ」にて毎日お送りしているコーナー「トウキョウハナコマチ」。江戸から現代まで、東京の土地の歴史にまつわる数々のエピソードをご紹介しています。今回の読み物は「黒帯の上は、何色?」として、8月16日に放送しました。

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