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 ◇第108回全国高校野球選手権第1日 1回戦 仙台育英3―1札幌日大(2026年8月5日 甲子園)

 暑さ対策のため、昨年に続いて夕方に開会式が行われ、ナイターで開幕試合1試合が行われた。仙台育英(宮城)が札幌日大(南北海道)を3―1で下し、2年連続の初戦突破を果たした。今秋ドラフト候補に挙がる田山纏(まとい)外野手(3年)が4回に大会1号となる右越え本塁打をマーク。22年以来の日本一を狙うチームを勢いづけた。

 ライオン軍団の4番に座る田山は、3日前に宣言していた。「去年はファーストスイングでフェンス直撃。今年は1打席目初球を本塁打にしたい」と。1番で出場した昨夏、鳥取城北との1回戦第1打席で幻の本塁打があった。レフトポール際に伸びた打球は、あと数センチでフェンスに妨げられた。悔しさを胸に「去年より力強くなった自信がある」と2度目の甲子園に臨んだ。

 ナイター開催になった31年ぶりの開幕戦。風は通常の浜風とは逆の左翼から右翼方向に吹いていた。カクテル光線が照らす中、1―0の4回1死で第2打席に立った。小1から続けるルーティンで「行くぞ!」と吠えてから投手と対峙(たいじ)すると、いつも通りのフルスイング。スライダーを捉え、打球は右翼席へ伸びた。打った瞬間に右手を突き上げ「こんなに観客の多い中でホームランを打って、打った瞬間に確信できたので気持ちいい一発でした」。豪快なアーチで大会1号を記録。開幕戦アーチは23年の土浦日大・松田陽斗以来3年ぶりとなった。

 フルスイングは中学時代から筋金入り。コロナ下だった20年、父・貴司さん(49)が提案し、家族で練習場を手づくり。完成後、貴司さんから「ネットもあるんだから全力でスイングしていいよ」と言われた中1の田山は毎日、フルスイングで100球近くバッティング練習を繰り返した。

 巨人の榑松伸介スカウトディレクターは「思い切りがいいし、スイングスピードが速い。小笠原道大さんをほうふつするフルスイング。お見事です」。ガッツこと、小笠原氏の代名詞だったフルスイングを評価した。それでも田山は「監督から“逆方向に打てれば本物”と言われているので、次こそ」と満足していなかった。

 試合終了は午後8時9分。須江航監督は「人生最高の夜更かしだと思います。選手も“夏祭りに夜、行くより甲子園のナイターは楽しかった”と」。2時間30分の開幕戦を終え、再び「名言」を残した。(片山 和香)

 ◇田山 纏(たやま・まとい)2008年(平20)6月4日生まれ、茨城県鉾田市出身の18歳。3歳から野球を始め、小6でDeNAJrに選出。鉾田南中では江戸崎ボーイズに所属。仙台育英では1年秋からベンチ入りし、2年夏、3年夏に甲子園出場。遠投125メートル、最速148キロ。1メートル77、85キロ。右投げ左打ち。

 ≪須江監督春夏通算20勝≫開幕戦で仙台育英(宮城)が勝利。同校の開幕戦は95年以来31年ぶり2度目で初勝利となった。宮城勢の開幕戦勝利は80年に東北が瓊浦(長崎)を4―0で下して以来、46年ぶり。夏の甲子園勝利数では48勝で並んでいたPL学園(大阪)を上回り、天理(奈良)と並ぶ4位タイの49勝目。須江航監督は春夏通算20勝に到達した。