広島テレビ放送

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 交通事故により体の自由を奪われたネイリストの女性がいます。広島テレビは長年取材を続けています。始球式を務めたい・・・リハビリを続けながら抱き続けた夢をかなえた彼女の挑戦を追いました。

 7月18日、マツダスタジアムで行われたカープ対阪神戦。始球式を務めたのは三次市に住むネイリストの中野由佳さんです。

 この日、夢をかなえました。幼い頃から、おしゃれが大好きだった由佳さんは20代でネイリストの道に進み、順風満帆な毎日を送っていました。
 しかし、2016年3月16日、突然の交通事故に巻き込まれ体の自由が奪われました。

■中野 由佳 さん
「なんで神様は、私を生かしたのかなって思って。」

 車いすでの生活を余儀なくされましたが、決して諦めませんでした。

 “必ず歩く” これを実現するため日々、挑んでいます。

 事故から約10年。週に2回、自宅でリハビリを続けています。

■中野 由佳 さん
「右、左。」

 重心を移動するトレーニング。体幹を鍛えるうえでも重要なリハビリです。

■中野 由佳 さん
「実生活に、いきるリハビリをしたくて。ただリハビリで終わったら意味がなくて。ちゃんと生活の中で変わったね、という実感がほしいんです。」

 努力を惜しまない由佳さんは、この日もリハビリの成果を見せてくれました。これまで手すりを使わずに立てるのは、7秒が限界でしたが・・・。

■リハビリの先生
「すごい!いきましたね。」

■中野 由佳 さん
「いきました?変な顔してしまった。」

 「10秒」に更新しました。

■中野 由佳 さん
「少しずつほんのちょっと、ほんの1ミリも満たないけど、積み重ねで今があるかなと思っています。」

 そんな由佳さんに、うれしい知らせが・・・。

■中野 由佳 さん
「マツダスタジアムで始球式をさせていただくことになりました。めっちゃうれしくて。 本当にずっと夢だったので、つらいことがあっても逃げずにコツコツやっていくと、いいことあるなって思いましたね。」

 三次市を応援するマツダスタジアムでの「三次デー」に、市長からの依頼で始球式を務めることが決まりました。

 由佳さんがボールを投げる先には、母・信子さんが。娘の挑戦を支えています。

■由佳さんの母・信子 さん
「一生に1回あるかないかという感じ。色んなことに挑戦してほしいなと思って、やるだけやってみんさいって感じ。みんな応援しています。」

 由佳さんの大舞台を見届けるため、家族みんなで球場を訪れました。

■中野 由佳 さん
「はい行くよ~。しゅっぱーつ!」

 いよいよ、由佳さんの夢への挑戦が始まります。

 始球式の30分前。控室では、本番に向けて打ち合わせが行われていました。

■中野 由佳 さん
「立って手を離せるのかというところも不安。」
■記者
「由佳さん、本番に強いので大丈夫です。」
■中野 由佳 さん
「プレッシャー!そうよそうよ、だって私、来年には普通に歩いているかもしれませんからね。楽しむ。」

 息子の、にこ君も後押しします。

■にこ君
「ママがんばれー!」
■中野 由佳 さん
「ありがとー!」

 約3万人がスタジアムに集まるなか、由佳さん、ついに夢の舞台へ。

■スタンドからの声援
「中野!中野!中野!」

 当初は車イスに座って投げる予定でしたが、「立って投げたい」という由佳さんを思いを通しました。

■スタンドからの声援
「がんばれー!いけるよー!」

 力を込めて投げた1球。球場は大きな拍手で包まれました。声援に応えながら、夢のマウンドをあとにしました。

■中野 由佳 さん
「10年分の思いが・・・1球に込めました。車いすで投げるということをマツダスタジアム側が承諾してくれて、かなえていただいた。マツダスタジアム側や三次の市長さんには感謝しかない。」

 大役を終えた由佳さんのもとには、挑戦を見守っていた友人も駆けつけました。

■中野 由佳 さん
「たくさん応援の言葉をかけてもらった。もらっているものが多いので、ここで満足しちゃだめだって思います。いい日になりました。みんなのおかげ、ありがとうございます。きょうをスタートに、まだまだ頑張ります。」

 目標に向かって努力を積み重ねて、かなえた夢の一つ。中野由佳さんの歩みは続きます。

【テレビ派 2026年7月23日 放送】