KNB北日本放送

写真拡大

毎日の食卓に欠かせない牛乳や乳製品、そしてタマゴへの影響です。“物価の優等生”とされてきた食材にも中東情勢の影響が及んでいます。

富山市に工場を持つ「とやまアルペン乳業」です。県内の酪農家から集めた生乳で牛乳や乳製品を製造しています。

武道キャスター
「こちらの工場では今、学校給食用のヨーグルトが作られています」

一日に使用する生乳は、多い時で20トン。県内のスーパーや病院、学校給食などに出荷されています。近年は、円安の影響で輸入飼料の価格が高騰し、酪農家の経営が圧迫されています。こうした中、酪農家を支えようと業界では牛乳や乳製品の値上げが続いてきました。さらに今、中東情勢という新たな要因が乳業メーカーの経営に影響を与えています。

とやまアルペン乳業 樋口俊幸社長
「例えばヨーグルトのカップとかフタ、パウチアルミですけど 5月から15~30パーセント位、値上げの通知が来ていますので」

ヨーグルトのフタなど石油由来の包装材について、資材メーカーから値上げの通知が届いています。とやまアルペン乳業では、包装材が10%値上がりすると、年間およそ2千万円分、利益が圧迫されるといいます。また、影響は紙パックの牛乳にも。

樋口社長
「パック周りはポリフィルムでラミネートしてありますので、このポリエチレンが影響を受けていますし、パルプ自体も外国から輸入しているものなので、その輸入経費が高くなってきて、5月から受注調整するという話は来ています」

この会社では今年7月をめどに、ヨーグルトなどの乳製品で5パーセントから10パーセントの値上げを予定しています。牛乳についても、今後の状況を見ながら判断するとしています。

樋口社長
「これ以上値上げすると、消費が冷え込んでしまいますし」
「僕らも値上げをしたいんですけど、厳しい状況ですね」

中東情勢の影響は、かつて“物価の優等生”とされていた朝食や弁当の定番「タマゴ」にも及んでいます。鶏卵の生産・販売を行う高岡市の仁光園です。

仁光園 島哲哉社長
「卵のパックですね。原料高騰につき値上げという話が。30~50パーセント位という感じですね」
武道キャスター
「とはいえタマゴが割れないようにするための大事な容器ですから」
島社長
「これがないと私ら卵をお届けできないですから」

タマゴのパックが6月から値上げされるという連絡が来ています。また、菓子店向けにタマゴの中身だけを入れる袋などの石油由来の包装材も品薄だといいます。さらに、ニワトリのエサとなるトウモロコシなどは輸入に頼っているため、円安に加え、中東情勢の影響による輸送コストの上昇は避けられません。

「(輸送代が)上がっても、まだ手に入ればいいんですけれども、(物流が)完全に止まってしまうと非常に不安なことが多いですね」

3年前、鳥インフルエンザの影響でタマゴの価格が高騰したいわゆる「エッグショック」以降、全国的に高値が続いています。農林水産省によりますと先月のタマゴ1パックの全国平均価格は309円で平年を22%上回りました。今後の中東情勢によってはさらなる値上げに踏み切るのか、生産者は難しい判断を迫られています。

島社長
「今までの当たり前に思っていた世の中に戻ってもらえるような、そう信じて私たちは、私たちのすることを一生懸命するしかないかなとは考えています」

中東情勢の影響は身近な食材にも及び、わたしたちの暮らしにも広がっています。

取材した仁光園では、これまで鶏のふんを肥料として農家に出荷していましたが、乾燥に使う重油が不足し製造できない状況が続いていて、まわりまわって農家も困るなど、様々なところで影響が広がっています。