脳科学者の茂木健一郎氏が、自身のYouTubeチャンネルで「トランプさんのマシなところ」と題した動画を公開。ドナルド・トランプ米大統領の過激な言動を巡り、その本質を分析するとともに、建前が横行する国際社会のあり方に一石を投じた。

動画の冒頭で茂木氏は、トランプ氏がベネズエラのマドゥロ大統領を訴追したり、グリーンランドの買収に意欲を示したりしていることに言及。これらの動きにNATO加盟国などから批判が出ている状況に対し、「どっちもどっちだな」と率直な感想を述べた。茂木氏は、トランプ氏の政策に全く賛成しないと前置きしつつも、「本音と言うことが一致している」点は「マシなところ」だと指摘する。ベネズエラに対しては「石油が欲しい」、グリーンランドも「欲しい」という欲望を隠さず、平和や国際秩序といった建前論を持ち出さない姿勢を、他の政治家との違いとして挙げた。

一方で、グリーンランドの領有権を主張するデンマークの反発についても疑問を呈した。歌手のビョーク氏が「グリーンランドは独立すべき」と発信したことに触れ、グリーンランドには独自の言語や文化があり、デンマークによる統治が現地のアイデンティティを脅かし、高い自殺率などの社会問題につながっている可能性を指摘。「デンマークが『グリーンランドはうちのものだ』と主張するのも、トランプ氏の欲望と本質的には変わらないのではないか」と論じた。

さらに茂木氏は、国際法や国連といった枠組みそのものが、「結局、第二次世界大戦の戦勝国が自分たちの特権を保持するために作ったもの」という側面を持つと分析する。これらのルールは、後から台頭してきた国々を抑え、既存の権力構造を固定化する道具として機能していると批判した。その上で、現代社会では建前で固められた正論よりも、「自分の本音と、言っていることが一致する人」が信用される時代になっているのではないかと結論付けた。トランプ氏の存在は、そうした国際社会の欺瞞を映し出す鏡であり、彼の言動の中にこそ、現代が抱える問題の本質が隠れていると示唆した。

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