Nikon Z 9は1度使うと戻れない、写真をワンランクアップしてくれるカメラでした

2021年のベストバイにしたかったNikon Z 9ですが、発売直後で十分に触っていなかったこともあり、ベストバイかどうかの判断がつきませんでした。

それから数か月が経ち、Z 9を3か月ほど使い込んだのでレビューをお届けします。さらに今回は、発売されたばかりで品薄の「NIKKOR Z 100-400mm f/4.5-5.6 VR S」、これまた品薄の便利ズーム「NIKKOR Z 24-120mm f/4 S」、F2.8通しの高コスパ標準ズーム「NIKKOR Z 28-75mm f/2.8」も合わせて試しています。

Nikonのミラーレスカメラのフラッグシップ機のZ 9は、一眼レフのフラッグシップ機であるD6と比較してひと回り小さい仕上がりとなっています。一眼レフを使用していた際は、D850のサイズ感がちょうど良かったのもありフラッグシップは考慮外でしたが、Zシリーズはコンパクトなのが良いものの、あと一歩物足りない面がありました。

Z 6からZ 6 IIへ移行して、高画素機もあるといいなと思っていたところ、Z 9がZ 7 IIと同レベルの4571万画素、8256×5504ピクセルを記録できるということで、もしかしたらアリかも? と思った次第です。価格や発表後明らかになったメカシャッターの廃止など即決するには悩ましい面もありましたが、フラッグシップ機で現在考えられる最大スペックが盛り込まれている点と、各社フラッグシップ級のモデルの中では抜群のコスパということで思い切ることに。

とはいえ、同じことを考える人は多かったようで、予約開始日にショップの電話はつながらず、Webも重いという状態。なんとかWebで注文を完了させたのは予約開始から20分後くらいでした。iPhoneなら絶対に当日ゲットできないくらいのタイミングでしたのでどうなることかと思っていましたが、前日に発送の連絡があって「あっ出荷されちゃった(支払いどうしよう)」というのが正直な気持ちでした。

そんな経緯があり、せっかく買ったので使い倒さないともったいない……というわけでもないですが、取材などで持って出かけるカメラはもっぱらZ 9になりました。軽量コンパクトが求められる時はZ 6 IIや時としてSIGMA fpなどを持ち出すこともありましたが、「カメラ持っていかなければ」という時に自然と手に取るのがZ 9というのは、その撮影体験の良さによると思います。

気になっていた電子シャッターのみという仕様は、実際に使ってみると全く気になりませんでした。テストショットの時に「あーメカシャッターはないんだ〜」と思ったくらいで、本番撮影では全く気にならず、Z 6 IIや他の機種のレビューでメカシャッターを使うとむしろ意識してしまうくらいです。

待望の「NIKKOR Z 100-400mm f/4.5-5.6 VR S」はコンパクトで驚きの性能

▲NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S (左)とNIKKOR Z 100-400mm f/4.5-5.6 VR S(中央)そして、Nikon Z 9(右)NIKKOR Z 100-400mm f/4.5-5.6 VR Sのコンパクトさがよくわかる

NIKKOR Z 100-400mm f/4.5-5.6 VR Sを手にして最初に感じたのはそのコンパクトさです。所有しているNIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR Sと比較してリアキャップ一つ分程度の厚さしか違わないのは驚きです。使用時は、ズーム比率に応じて鏡筒が繰り出しますが、最大限に伸ばしても十分コンパクトと言えます。

▲ボディが同じなら一瞬どちらが100−400か70−200か迷ってしまうほど

▲NIKKOR Z 100-400mm f/4.5-5.6 VR S テレ端(400mm)

▲NIKKOR Z 100-400mm f/4.5-5.6 VR S ワイド端(100mm)

▲DX(APS-C)モードと切り替えて、最大600mm相当で使用可能

▲400mm(DXモードで600mm相当)でも明瞭な撮影結果が得られる

▲樹木やビルなどがあっても、飛行機の被写体認識でバッチリとAFが捉えます

▲被写体認識でスズメの目にピントが合います

▲ブラックアウトフリーのEVFは視界も良好で、動きのある被写体も追いかけることができる

フルサイズ(FXモード)で4571万画素、8256×5504ピクセルを記録できるほか、APS-C(DXモード)で1.5倍に拡大(トリミング)しての記録にも対応します。実質デジタルテレコンを入れているようなものなので400mmのテレ端で使用する際は、600mm相当で使えることになります。

さらに、テレコンバーター「Z TELECONVERTER TC-2.0x」や「Z TELECONVERTER TC-1.4x」にも対応しているので、最大1200mm相当までのズーム域が得られることになります。

ようやく揃ってきた望遠域のZレンズ群ですが、テレコンやDXモードの併用を許容できるなら、NIKKOR Z 100-400mm f/4.5-5.6 VR Sで事足りるのでは? とも思えてきます(買ったら買ったでまた次のレンズが欲しくなる可能性は大)。

F4通しの便利ズーム「NIKKOR Z 24-120mm f/4 S」があれば普段使いはほぼカバー

最初に買ったZ 6のセットレンズ「NIKKOR Z 24-70mm f/4 S」をZ 6 II、Z 9でも引き続いて使っていますが、一眼レフの時代は「AF-S NIKKOR 24-120mm f/4G ED VR」などを使用していたので、他社の24-105mm F4よりも少し長いことに便利さを感じていました。そんなわけで待望のNIKKOR Z 24-120mm f/4 Sで、便利さを再確認しました。

元々マウント径の大きいZマウントでは、NIKKOR Z 24-70mm f/4 SにおいてもFマウントのF2.8レンズに匹敵する写りが得られると感じていたので、24-120mmのズーム域があれば、FX/DX切り替えの併用で日常の取材はこれ一本で賄える印象を受けました。

F2.8通しの「NIKKOR Z 28-75mm f/2.8」は、日常のスナップに便利な高コスパレンズ

NIKKOR Z 28-75mm f/2.8は、Sラインではありませんが全域F2.8のズームレンズで、軽量、コンパクトなのが特徴です。今回はあえてZ 9ではなく Z 6 IIに装着して軽快さを体験しました。

NIKKOR Z 24-70mm f/4 SやNIKKOR Z 24-120mm f/4 Sなど、同じタイプのレンズが複数ありチョイスが悩ましいですが、28mm始まりなので広角域をカバーする標準ズームとして期待するにはやや力不足です。ただ、F2.8通しなので、夕方や夜間などの光量が不足する時間帯でも撮影できることは大きなポイント。「NIKKOR Z 14-30mm f/4 S」などを併用すれば14mmから75mmまでをカバーできるでしょう。

自分の使い方ではNIKKOR Z 28-75mm f/2.8の出番は少ないかもしれないですが、使いやすいレンズでしたので、スナップや家族や友人との思い出づくりなどで撮影する人はぜひ検討して欲しいレンズです。

万人向けではないけれど、フラッグシップ機に恥じない性能を発揮できるモデル

バッテリーグリップ一体型のデザイン、重量や、その価格(税込み69万8500円)と、Z 9は、誰にでもオススメできるものではありませんが、それらが許容できる人にとっては迷いなく「買い」な機種と言えます。

Z 6 IIでほぼ満足していましたが、Z 9を使ってしまうと戻れない感じです。 Z 9を使うことでZ 6 IIの使い方にも変化(新しい設定を試すなど)が生じました。

設定や機能、自分自身の写真の技量や知識など総動員すれば、Z 9でなくても素晴らしい写真を撮れるかもしれませんが、凡人はカメラやレンズといった機材の性能に助けられる場面が多くあります。もちろんプロカメラマンであっても、より良い写真、結果のために投資する方もいるかと思います。そう言う意味でZ 9がその人の写真をワンランクアップしてくれる機材なのは間違いありません。

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