アメリカ現地時間の2014年6月2日に開催されたAppleの開発者向けイベント「WWDC14」では、iOS 8やMac OS X Yosemiteなどの新技術が発表されました。今回で8つ目のバージョンとなるiOSがデビューしたのは2007年の初代iPhoneの発売時期で、そこからどのような変化を遂げてきたのかが1本のムービーにまとめられています。

A visual history of iOS - YouTube


◆iPhone OS
2007年1月に正式発表され、同年6月29日に発売された初代iPhoneに搭載されていたOSは、Mac OS Xをタッチパネルの携帯電話(スマートフォン)に最適化した形で再構築された「iPhone OS」でした。


初代iPhoneが発表されたMacworld Expo 2007の基調講演で、当時のスティーブ・ジョブズCEOは「他のどんな携帯電話よりも5年先を行くソフトウェア」を搭載していると表現しました。


当時の市場にはモトローラのMotorola QBlackBerry、Palm OSを搭載していたPalm TreoSymbian OSを搭載したNokia E62などのスマートフォンが投入されて人気を博していました。


それらの先行モデルに対し、iPhoneは爆発的な人気を誇っていたiPodと電話、そしてインターネットコミュニケーションツールという3つの役割を1台に凝縮した製品として発表されました。


高性能なタッチスクリーンを搭載し、デスクトップPCにも劣らないブラウザを装備しており……


モバイル向けでは最も使いやすい「Googleマップ」のアプリを搭載していることもセールスポイントでした。


◆iPhone OS 2
初代iPhoneから1年後の2008年7月にiPhone 3Gが発売されるのに合わせ、iOS(iPhone OS)もバージョンアップされることになります。


搭載されるiOSはiPhone OS 2.0となりました。


このバージョンアップで最大の特徴は、SDK(ソフトウェア開発キット)が整備されてサードパーティ製のアプリを自由にインストールできるようになったこと。リリースと同時にアプリのダウンロードを行えるApp Storeがサービスを開始しています。


アプリはiPhone本体で確認できるほか、iTunesにもApp Storeのブラウザ機能が追加されたことで、より閲覧がしやすくなったことも改良点の1つ。


◆iPhone OS 3
さらに1年後の2009年6月にはiPhone本体、OSともにバージョンアップしてそれぞれ「iPhone 3GS」と「iPhone OS 3」へと変化を遂げました。


iPhone 3GSはiPhone 3Gの改良版モデルとも位置づけられるもので、外見上の変化はほとんどありませんが処理速度が前モデルと比較して2倍程度に向上され、バッテリー駆動時間も長くなったのが特徴。


データのカットやコピー&ペーストが可能になったのはこのバージョンのiPhone OSが初めて。


検索機能のSpotlightも搭載されています。


各アプリからのプッシュ通知機能に対応したのもこのバージョンから。


そして2010年4月にはiPad専用のiPhone OSとしてバージョン3.2がリリースされました。


◆iOS 4
この頃のAppleの新商品は、毎年決まって6月に発売されるというのがお決まりになっていました。2010年6月には新型iPhoneとなるiPhone 4が発売され、それに合わせて新しいOSがリリースされました。その名称は、iPhone OS 4から……


iOS 4というふうに表記が変更され、現在でもこのルールが使用され続けています。


名称もさることながら、iOS 4での大きな変更点はマルチタスクに対応したことでした。従来は完全シングルタスク動作しかサポートされていなかったのに対し、このバージョンからはオーディオ再生や位置情報通知などの機能に対してはバックグラウンドでの動作をサポートするように変更されています。


また、このバージョンからはビデオ通話アプリのFaceTimeをサポート。


また、iPhone 4では画面の解像度が2倍となるRetinaディスプレイが初登場しており、iOS 4にもそれをサポートする機能が追加されています。


◆iOS 5
前年まで6月後半から7月に発売されていた新型iPhoneの発売時期は、2011年からは秋に移動しています。ジョブズ氏が10月5日に亡くなる前日の10月4日に発表されたiPhone 4Sには当然のように最新OSとなるiOS 5が搭載されました。


最大の特徴は、iPhoneに向かって話しかけるだけでウェブ検索したり、電話をかけられるようになる機能「Siri」が搭載されたことでした。


SiriはiPhoneに話しかけた内容を音声解析することで、手を使わなくてもある程度の操作ができるというもの。また、このバージョンからはAppleが提供するクラウドサービスのiCloudやWi-Fi経由でのiTunesとの同期機能がサポートされるようになりました。


◆iOS 6
2012年9月にiPhone 5とともにリリースされたiOS 6では、SiriやiCloudの機能が強化されるなどのブラッシュアップが行われましたが……


良くも悪くも、もっとも注目を浴びたのは、従来からのGoogleマップに替えて自社開発したアプリ「マップ」を搭載したことといえます。


ルート検索性能や、ターン・バイ・ターン方式によるナビゲーション機能には音声による案内が導入されるなどの特徴を備えていましたが、「パチンコガンダム駅」に代表されるバグ・エラーの多さが問題になってティム・クックCEOがマップについて謝罪し、Googleマップなどの使用を推奨するという事態を招いたことも記憶に新しいところです。


この騒動もあって、当時のiPhoneソフトウェア担当上級副社長だったスコット・フォーストール氏は辞任することに。


そのあとを受けて加入したジョニー・アイブ氏が、Apple製品のデザインやUI(ユーザーインターフェース)を統括するに至っています。


◆iOS 7
その効果は2013年9月にリリースされたiOS 7に現れているといえます。


それまでiOSをはじめとするデザインのトレンドだったリッチデザインスキューモーフィズムといったリアルさに傾倒したデザインから正反対となるフラットデザインを取り入れたことは大きな話題とともに迎えられることとなりました。


また、ディスプレイ下部をスワイプすることで現れるコントロールセンターの採用も、ユーザーの利便性を高める一翼を担っています。


◆iOS 8
そして、2014年9月にリリース予定となっているiOS 8ですが、基本的にはiOS 7の改良版とする見方が一般的となっています。


そんな中、Appleが特徴の1つとしているのが「Continuity」と呼ばれるMac OSを搭載したPCや他のiOS端末との連携機能。


この機能を使えば、iPhoneで見ていたウェブサイトを簡単にMac PCでも見ることができるほか、iPhoneに電話がかかってきた時には、PC画面を操作することで通話できるようになるという機能が実現されることになります。


さらに、iOS 8を進化させるのは他のデベロッパの役割が大きいとも言えます。


健康管理アプリのHealthKitや……


家中の家電をコントロールするHomeKitなどの機能が採用されています。


また、iOSでは初めてアプリ間の通信が許可されていたり……


サードパーティ製の入力支援アプリもサポートされることになっています。


そして大きな変更点と言えるのが、新プログラミング言語であるSwiftの発表です。「Objective-CからC言語を抜いたもの」とも表現されるSwiftは、よりシンプルなプログラムで高速な動作を実現するものとされています。