エアコンは「28度設定が一番安い」は本当? 夫は26度から上げたくないと言いますが、“2度”上げるだけで電気代はどれくらい変わりますか?
「28度設定が一番安い」は本当?
「夏はエアコンを28度に設定するのがよい」という話を耳にしたことがある人もいるのではないでしょうか。
実は環境省が推奨しているのは、夏の室温を28度程度にすることです。ここでいう28度は、エアコンの設定温度ではなく、実際に人が過ごす空間の温度を指しています。
室温は、住宅の断熱性能や日当たり、部屋の広さ、人数、湿度などによって大きく変わります。そのため、設定温度を28度にしても室温が30度近くになることもあれば、設定温度26度でも室温が28度前後になることもあります。
つまり、「28度設定だから最も節約になる」と一律に考えることはできません。大切なのは、無理に設定温度をこだわるのではなく、快適さを保ちながら室温を適切に保つことです。
エアコンを26度から28度にすると電気代はどれくらい変わる?
設定温度を上げると、エアコンは部屋を冷やすための負担が軽くなるため、消費電力が減る傾向にあります。
環境省では、冷房時は設定温度を1度緩和すると、消費電力量は約13%削減できると紹介しています。単純に考えると、26度から28度へ2度上げた場合は、約26%の消費電力量削減が期待できる計算になります。
ただし、これは目安であり、実際の削減率は外気温や住宅環境、エアコンの性能などによって異なります。
また、経済産業省資源エネルギー庁の省エネポータルサイトによると、外気温31度、2.2kWのエアコンを1日9時間使用する条件では、設定温度を27度から28度へ1度上げることで、年間約30.24kWhの省エネとなり、電気代は約940円節約できるとされています。
このデータを参考にすると、26度から28度へ2度上げた場合の節約額は単純計算で年間約1880円が目安になります。ただし、こちらも実際の金額は使用時間や地域、電気料金単価などによって変わるため、あくまで参考値として考えることが大切です。
年間で見るとそれほど大きくない差でも、毎日使う家電だからこそ、少しの設定変更が積み重なれば節約効果を実感できるでしょう。
設定温度だけに頼らない! 快適さを保ちながら電気代を抑えるコツ
「26度ではないと暑い」と感じる人もいれば、「28度でも十分涼しい」と感じる人もいます。無理に設定温度を上げて熱中症になるようでは本末転倒です。
快適さを保ちながら節約するには、サーキュレーターや扇風機を併用して冷たい空気を部屋全体に循環させる方法がおすすめです。体に風が当たることで体感温度が下がるため、設定温度を1度ほど上げても快適に感じやすくなります。
また、経済産業省資源エネルギー庁は、室外機の吹出口の周囲に物を置かないことも推奨しています。吹出口がふさがれると熱が逃げにくくなり、冷房効率が下がって余分な電力を消費してしまいます。
さらに、遮光カーテンやすだれで日差しを遮ることも効果的です。室内に入る熱を減らせるため、エアコンの負担を軽くできます。
このように、設定温度だけで節約しようとするのではなく、住まい全体の環境を整えることで、快適性と省エネを両立しやすくなります。
まとめ
「28度設定が一番安い」という考え方は、正確には誤解です。環境省が推奨しているのは室温28度であり、設定温度ではありません。住宅環境やエアコンの性能によって適切な設定温度は変わるため、一律に28度へ設定すればよいわけではないのです。
一方で、設定温度を1度上げることで消費電力量が減り、年間では電気代の節約につながることも公的機関のデータから示されています。26度から28度へ2度上げた場合は、条件次第では年間1000円程度の節約が期待できるケースもあるでしょう。
ただし、節約を優先するあまり暑さを我慢し過ぎるのは避けるべきです。特に高齢者や小さな子どもがいる家庭では、熱中症のリスクにも注意が必要です。
設定温度だけにこだわるのではなく、扇風機やサーキュレーター、遮熱対策なども取り入れながら、自分や家族が快適に過ごせる室温を目指すことが、無理のない節約につながるでしょう。
出典
環境省 家庭部門のCO2排出実態統計調査 家庭のエネルギー事情を知る エアコンの使い方について
経済産業省資源エネルギー庁 省エネポータルサイト 家庭向け省エネ関連情報 無理のない省エネ節約 エアコン
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

