メ~テレ(名古屋テレビ)

23年ぶり、東海道新幹線に豪華な個室が誕生します。愛知のモノづくりの技術が結集した個室ができるまでを、独占取材しました。

愛知県豊川市の日本車両です。豊川製作所の中で、東海道新幹線の個室が作られるということで内部を取材します」(記者)

私たちが、取材を始めたのは今から約2カ月前。

工場の中にあったのは、“宙に浮いた新幹線”です。

窓が見えるので、かろうじて新幹線の車内と分かりますが…個室はまだありません。

手慣れた様子で、配線をはりめぐらせます。

「後々ここにテーブルがつく、その“受け台”。ここに間接照明がつく、これが(設備の)線」(日本車両 前田祐樹さん)

まだなかなか想像できませんが、部屋の中はどうなるのでしょうか。

「新たに導入する座席は、スプリームクラスと名付けました」(JR東海 丹羽俊介 社長)

スプリームクラスは、グリーン車を超える最上位クラス。

「座席に最高の品質やサービスを提供する」としています。

3Dの図面や写真を活用して作業

最初の取材から、約2週間。

「(前回と)同じ工場だが、製造の場所が変わった。前回作った新幹線がこちら」(日本車両 広報 駒村宜則さん)

この日は、個室の「仕切り」をつくる作業をするといいます。

個室の内装は、大きな木目調のパネルで囲まれます。

作業担当者が、何やらパソコンの画面を確認しています。

表示されているのは、3Dの図面。

使う部品の種類や、作業の手順が書かれています。

「部品ごとに長さも形も違う。言葉だけでは分かりにくい部分もあるので、3D図面や写真を活用して作業している」(個室の作業担当 日本車両 石原優さん)

しっかりとパネルを取り付けることが出来ました。

VRを取り入れ、一緒に設計

個室を製造している日本車両は、今年で創立130周年。

国鉄時代の0系新幹線から、最新車両のドクターSまで、これまでに4500両を超える新幹線をつくってきました。

今回、スプリームクラスの個室をJR東海と一緒に設計するにあたり、VR=仮想現実技術を取り入れました。

危険な箇所や使いにくさなどの問題点について、昔は実物大のモックアップを作ってからでないと分からなかったといいますが、設計の段階で早めに対処できるようになったといいます。

東海道新幹線では23年ぶりの個室

そして、個室の製作も佳境です。

「前回の取材ではなかった、部屋を仕切るパネルが付いています。そして、こちらが個室ですね、もう少しで完成しそうです」(記者)

リクライニングシートの座面を取りつけ、ついに!

スプリームクラスの個室が完成しました。

「こちらは出来上がったばかりの椅子です。かなりクッション性があって、座ると快適そうです」(記者)

東海道新幹線では、23年ぶりの個室です。

「快適に過ごしてもらうために、丁寧に作りこんでいる。これだけのものができるとうれしくなるし、『やってやった』という感じ」(石原さん)

「スプリームクラス」は10月1日から運行開始

2人でも利用可能な、スプリームクラスの個室「キャビン」は、東京~名古屋間で4万7060円。

ちなみに、JRと共に設計を担当した青木さんのお気に入りポイントは、窓周りの間接照明だといいます。

そういえば、製作中も――。

Q.作業で大変なところは?

「灯具の電源装置が、通路天井に数多くつく」(前田さん)

企業秘密のため、詳しくはお見せできませんが、かなりたくさんの機器が設置されていました。

Q.作業者が「間接照明が大変」と言っていたが、いっぱいつけた?

「つけました。これまでにない上質な部屋で、プライベート感を確保しながら乗れる。楽しんで乗ってほしい」(日本車両 技術設計部 青木盛人さん)

愛知のモノづくり技術がつまった「スプリームクラス」は、10月1日から運行開始。

ぜいたくな旅の選択肢が増えるかもしれません。