後半はブラジルだけが攻めて、ゴールのチャンスを作ったので、この試合で90分間で勝つのに値するのはブラジルだけだ。モリヤスの采配は守備だけだったので、選手の特徴を活かせなくて、もったいないと思った」
 
――アンチェロッティ監督と森保監督の差が出たと。

「そうそうそう、そう感じた。さっきブラジルメディアで試合後の分析を書いた時は、『試合の結果はモリヤスとアンチェロッティの差だ』と指摘した。選手たちの差はそんなに大きくないけど、監督の差はすごく大きい。

 どうしてモリヤスは選手のポテンシャルを活かさなかったのか。アンチェロッティは、チームの状況はとても悪かったけど、後半の交代だけじゃなくて、修正力で日本を圧倒した。

 多分、試合の内容だけを見たらブラジルが遥かに強かった。でも選手たちの能力だけを考えたら、日本はもっと良い内容の試合を見せてほしかった。日本はもっと高いレベルで戦えると思うので、内容的にはとてもがっかりしたね」
――監督の修正力に加え、両国の明暗を分けた部分はありますか?

「例えばヴィニシウス。彼のプレーが変わった時にその差が見えた。もし日本にミトマ(三笘薫)がいたら、ミトマだけができるプレーがあるよね。ヴィニシウスしにしかできないプレーがたくさんあった。トミヤスとサノを抜いて、ポストを叩いたシーン。あれが入っていたら、ワールドクラスのゴールだった。

 それにブラジルのセンターバック、特にガブリエウ・マガリャンイスはウエダ(上田綺世)に完全に勝ったと思う。日本は守備面では、まずまずできた時があったけど、攻撃面では特にウエダがあまり良いプレーができなかった。今日のトミヤスも、普段よりそんなに良い調子じゃなかった。日本の守備のキープレーヤー、ザイオン、サノが良くできたけど、トミヤスはあまりだったね。

 そしてやはり、ブラジルは交代カードが良かった。カゼミーロを下げてファビーニョを入れたのも良かったし、途中出場のマルチネッリも決勝ゴールを決めた。日本の交代カードはあまりインパクトがなかった。それも試合の結果に影響があったね」
 
――先ほど「森保監督は延長戦にもつれ込ませようとしていた」という分析がありましたが、もし延長戦に入っていたとしたら、どんな展開になっていたと思いますか?

「多分、延長になったらモリヤスはPK戦を狙うかなと思っていた。守備だけをやっていたので。そのような、1チームが攻めて、もう片方は守備だけという試合展開なら、PK戦に行ったら守備をしていたチームにかなりチャンスがある。メンタル面でも。多分、モリヤスはそれも考えていたけど、一般的にチームの差が大きい時にこのような展開を狙う。今のブラジルと日本はそんなに差はないと思うので、だからこそがっかりしたね」

取材・文●有園僚真(サッカーダイジェストWeb編集部)

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