小学6年生の息子、吉伊大聖さん(11)を殺害した疑いで父親の無職・吉伊敏彦容疑者(66)が逮捕された。写真左は被疑者が住んでいたアパート

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 小学6年生の息子、吉伊大聖さん(11)を殺害した疑いで千葉県警は5月30日、成田市並木町に住む無職・吉伊敏彦容疑者(66)を逮捕した。10年前に実母が亡くなり、2人きりで生活していた親子にいったい何があったのか──。【前後編の前編】

【写真を見る】容疑者が住んでいた築30年・2DKのアパート、息子を後ろに乗せて送り迎えしていたママチャリ

 成田警察署の岡本重春副署長が事件の経緯を説明する。

「5月29日の11時50分ごろ、亡くなった男児が通っていた小学校の校長から『27日を最後に登校してこない。午前中に自宅に行ったが誰の反応もなかった』と成田警察署に通報がありました。警察官が自宅アパートに駆けつけたところ、玄関と窓が施錠されており、呼びかけにも応答がありませんでした。

 15時53分、合鍵を用意して部屋に入ると、並べられた2枚の布団の上に被疑者と被害者が倒れているのを発見。吉伊容疑者については、脈はあるが受け答えできず、市内の病院に搬送された。お子さんのほうも外傷は認められませんでしたがすでに死亡状態でした」

 県警は退院を待って男を逮捕。調べに対して「お金がなく将来を悲観していた。息子をひとり残せなかった」など、無理心中を匂わせる供述をしているという。岡本副署長が続ける。

「現状、練炭や服薬による自殺を図った事実は確認しておりません。発見時に意識がもう朧としていて、受け答えができなかったのか、自暴自棄になって応答しなかったのか、そのあたりは判然としない。

 供述どおり絞殺だとすれば、通常は首に何らかの圧痕や変色箇所が残ることが多いのですが、それは認められない。本人は手で首を絞めたと話していますが、犯行用具を使った可能性なども含め、司法解剖などを行い多角的に捜査する見込みです」

 同氏によると、被害者の実母は2016年に死亡が確認されており、住民票上でも2人世帯として登録されているという。

 そんな容疑者が住んでいたのは、京成本線「公津の杜駅」から徒歩25分の距離にある、築およそ30年の賃貸アパートの1階だ。物件紹介サイトなどを参照すると、間取りは2DKで家賃は5万円ほどだ。

 同じアパートの住民が親子について話す。

「最近、変わったこととかもなかったし、事件にも気づきませんでした。それにお父さんは息子さんをとても心配し、気を遣っていました」

 住民が語ったのは、事件直前まで父親が息子を案じ、世話を焼いていた姿だ。親子に何があったのだろうか。

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