脳科学者の茂木健一郎氏が、自身のYouTubeチャンネル「茂木健一郎の脳の教養チャンネル」で「世界はなぜ新しい「帝国主義」の時代を迎えているのか?」と題した動画を公開。世界が再び「帝国主義」の時代に突入していると指摘し、その背景にある技術革新がもたらす「圧倒的な非対称性」について警鐘を鳴らした。

動画で茂木氏は、現在の国際情勢を「新しい帝国主義の時代」であり、「分捕り合戦」が再び始まった状態だと分析する。かつて世界は、第二次世界大戦の甚大な被害を反省し、国際連合や国際法といった秩序を構築した。しかし、その秩序が今なぜ揺らいでいるのか。茂木氏はその原因を「国際法を守るべき」といったべき論で片付けるのではなく、状況を規定する「パラメータが(中略)変わったんだろうな」という視点から理解する必要があると説いた。

茂木氏が最大のパラメータとして挙げるのが、AIなどの技術革新によって生まれる「圧倒的な非対称性」である。軍事技術や情報収集能力において、一部の国家や企業が他を圧倒する状況が生まれていると解説。具体例として、人工知能開発における巨大IT企業の独走状態や、アメリカによるグリーンランド買収提案、中国とフィリピンの南シナ海を巡る問題に言及し、軍事力や技術力の差が領土問題に直結している現状を説明した。「圧倒的な非対称性」が存在する場合、力の弱い側は対抗できず、国際法も機能しなくなる。これが現代の「分捕り合戦」の正体であり、もはや「麗しい理想を言ってても」通用しない段階に来ていると茂木氏は主張する。

最後に茂木氏は、平和や国際協調の重要性を認めつつも、「そういう時代になっているっていう厳しい認識だけは持った方がいい」と、理想論だけでは乗り切れない現実を直視する必要性を強調。技術の非対称性が国際秩序をいかに変容させるか、我々はこの現実をどう捉えるべきか、という問いを投げかけ、動画を締めくくった。

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