Amazonでは倉庫従業員が「トイレ休憩すらまともに取れない」と証言したり、配達員が「ペットボトルに排尿することを余儀なくされている」と証言したりしているなど劣悪な労働環境が報告されていますが、「ソフトウェアエンジニアも同様に労働環境が悪い」と、Amazonを辞めたばかりというソフトウェア開発者のJiawei Wang氏の投稿をきっかけに議論が巻き起こっています。

LinkedInのJiawei Wang: Hi LinkedIn connections! I am ready for my next journey with your

https://www.linkedin.com/posts/hire-jiawei-wang_hi-linkedin-connections-i-am-ready-for-my-activity-6894943241523875840-tZ7C

Amazon Pip Horror Story | Hacker News

https://news.ycombinator.com/item?id=30203581

Wang氏はAmazon Web Services(AWS)のソフトウェア開発エンジニアとしてAmazonに勤めていたとのこと。ある日Alexa AIチームからの誘いを受けたWang氏が上司に部署異動願を提出したところ、Amazonの業績評価シーズンであったためか、上司はWang氏を別のチームに追いやってしまいます。

希望するチームへの移動が叶わなかったことでAmazonを退職したというWang氏は、新たな職探しに際し、自己アピールとして「納期が月曜日の午前中や金曜日の午後?簡単!」「土曜の深夜2時に呼び出し?ノープロブレム!」などと記し、前職がいかに劣悪な労働環境であったかを示唆するような文章をビジネスSNSのLinkedInに投稿しています。

このほか、「1カ月で半数が辞めたチームのために毎月呼び出されるのも余裕」「チームが作成した6万8000行のコードのうち5万1000行を1人で書いたにもかかわらず『最も役に立たない』と言うのはやめてください」「Amazonはお断り。あなたの理解には本当に感謝します」などとも記しており、これらの文言がAmazonの労働環境を指していることは明らか。また、LinkedInで行った当該投稿にどこからか削除要請が来たとのことですが、Wang氏は「個人的な経験に基づくもので、特定の個人や組織を指したものではありません」と釈明しています。



この投稿に対し、Amazonのエンジニアを名乗る人物らから同意の声が挙がっています。以前Amazonの開発マネージャーだったというTod Bookless氏は「23時30分に20ページの設計文書を受け取り、『朝の5時30分までにフィードバックが欲しい』と言われた経験がある」と述べ、「以前同じ問題を投稿したときには24時間で70万人が閲覧し、従業員から多くの声を得られました」と、問題が頻出していることを明らかにしています。

一方、Hacker NewsではAmazonのソフトウェア開発エンジニアを名乗るthe_amzn_race氏が「Amazonの評価のメカニズムは人々を客観的に評価して偏見を最小限に抑えるという方法が採られており、あらゆるパフォーマンスの低下が確実に目に見えるようになっていますが、チームのパフォーマンス維持は疲れます。この投稿者(Wang氏)の上司は怠け者だったのでしょう」と、Amazonの評価システムに問題はないものの、それを扱う上司に問題があったと指摘しています。