「HUNTER×HUNTER」26巻を振り返りながら、暗黒大陸編の再開を妄想する

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冨樫義博の『HUNTER×HUNTER』が休載されてから26週目。今回は単行本26巻を振り返りながら、新章・暗黒大陸編を思い出していく。


26巻はこんな話


キメラ=アントの根城である宮殿に侵入した討伐隊。当初の予定では討伐隊2人で護衛団一匹を仕留める予定だったのだが、キルアはゴンに「関係ない」と突き放され、ノヴはメンタルをやられ脱落。王VSネテロ会長、モントゥトゥユピーVSシュート・ナックル、ネフェルピトーVSゴン(冷戦状態)、シャウアプフVSモラウの戦いが始まる。
それ以外では、ヂートゥがシルバにあっさり殺されたり、イカルゴVSブロヴーダ・ウェルフィンの心理戦が展開されたり、といった流れ。
蟻サイドからは、人間は「蠅一匹」、「ゴキブリ野郎」と罵られており、討伐隊と護衛団・王の間には、ものすごい実力差がある。

ネテロ会長ですらも格下扱いされてしまうキメラ=アントの戦闘力


其の方等が人間の犠牲を最小限に抑えながら目的遂行をはかっていることは十分に理解できた 混乱に乗じて成し遂げんと望んだのは余と護衛団との分断であろう?

蟻の王と対峙して臨戦態勢に入るネテロとゼノ。しかし、王は二人の間を悠然と横切り、理屈を垂れはじめる。続く27巻でもなかなか戦闘に入らず、会長が手を焼いていた。力量差が激しく、ヤル気を持ってくれないのだ。そういえば、コルトが会長を見たときに「おそらく直属護衛軍の誰かに殺される」レベルだと言われていた。

なぜキメラ=アントという名前なのか


キメラ=アント(一個体に複数の遺伝情報が混じっている蟻という意味)は暗黒大陸からやってきた危険外来種。「暗黒大陸編」が開始された単行本33巻にある危険生物評価リストを見ると、大陸内でキメラ=アントがどれくらいヤバいのかを確認できる。


アイ、ブリオン、パプ、ヘルベル、ゾバエ病患者という顔ぶれの中で、繁殖力と数が多いと評価されていた蟻たち。凶暴性は個体によって最高ランクのなる場合もあるとはいえ、暗黒大陸の生物は念能力とか関係なしに人の命を脅かしてくる(いきなりブチュッとかいって体の半分が消し飛んで殺される。背骨ちょうだいとか無茶ぶりしてくることもある)。
暗黒大陸レベルで見たキメラ=アントというのは、人間界で足元をせかせかと歩いている蟻くらいの存在なのだ。幽白で最強だと思ってた戸愚呂・弟がB級で、仙水さんがS級クラスってことを知ったとき並の絶望である。

あと何年経てば暗黒大陸に到着するのか


暗黒大陸行きの豪華客船を舞台にしたまま、休載中のHUNTER×HUNTER。ネテロ会長を失脚させたパリストンやゴンの親父であるジン、これ以外にもクロロとかヒソカなど、蟻の王と戦ってみてほしかったキャラたちが、主人公以上に物語に絡んでいる。
暗黒大陸上陸後には、危険生物の脅威をどうかいくぐるのか、あるいは打ち破るのか。キャラクター間の強さの優劣を決める材料が、早く欲しい。
(山川悠)

参考→『HUNTER×HUNTER』再開を待ちながら1巻から読んでみる