日本ハム・新庄剛志監督が「大焦り」…「ソフトバンクに弱い理由」とナインを悩ませる「有原航平問題」

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チーム打率&本塁打数1位でも首位に大きく差をつけられる異常事態

「今年は96勝してぶっちぎり優勝!」

日本ハムの新庄剛志監督(54)は開幕前、高らかに宣言した。

ところが――。チームは現在、99試合を消化して56勝43敗、首位に6.5ゲーム差をつけられてリーグ3位に甘んじ、″ぶっちぎり″とは程遠い様相を呈している(数字は8月3日時点、以下同)。

就任1年目の’22年、新庄監督は「優勝なんか目指しません」と長期的な視野で3年連続のBクラスに沈んでいたチームの再建に着手。飛躍のキッカケをつかめずにいた若手を覚醒させ、’24年、’25年に日ハムを2年連続の2位へ押し上げた手腕は、″新庄マジック″と称された。

「新庄さんは来季も続投するつもりはなく、勝っても負けても今年限りで身を引くつもりです。それだけに今シーズンにかける思いは強く、清宮幸太郎(27)や万波中正(26)らが牽引する打線、そして昨年の沢村賞投手・伊藤大海(28)を擁する盤石の先発ローテ陣でパ・リーグを独走する青写真を、開幕前から描いていました」(スポーツ紙日ハム担当記者)

しかし、新庄監督の″独走計画″は狂った。その理由について、球団OBで野球解説者の岩本勉氏はこう話す。

「チーム打率は.254でパ・リーグ1位、本塁打数も125で圧倒的ナンバーワンと、打線の破壊力は凄まじいですが、首位のソフトバンクとの相性が悪すぎる。14試合を戦い、2勝12敗。他のチームとの試合で作った貯金を、ソフトバンク戦で吐き出している状態です」

いったいなぜ、″新庄マジック″はソフトバンクに通用しないのか?

最大の理由は、今年の日ハム、とくに新庄監督が抱いている鷹軍団への過剰とも言えるライバル意識だ。

「新庄さんはソフトバンクの小久保裕紀監督(54)とは仲がよく、開幕前はたびたび『打倒・小久保だね』とメディアを笑わせてくれました。ナインにも『ソフトバンクには絶対に勝とう』と言い聞かせていましたが、開幕カードで3タテを食らい、その後、連敗は8まで続いてしまった。

選手たちの苦手意識はどんどん強まり、新庄さんはソフトバンクに関して口をつぐむようになってしまいました。打倒・ソフトバンクを意識しすぎるあまり、選手が固まってしまう悪循環に陥っています」(スポーツ紙デスク)

日ハムの野手、A選手はこう漏らす。

「新庄さんは表向きでは選手を『○○君』と呼ぶなどフレンドリーですが、負けが込んでいたり、無責任なプレーが続くと呼び捨てになることがあり、口調も激しくなる。とくにソフトバンク戦はその傾向が強く、機嫌が悪そうに見えるときは僕たちもおっかなくて近づけません。

普段は陽気で接しやすいんですが……。そんな状態が続けば、イヤでもバンクを意識しちゃいますし、『リードしていても逆転されるんじゃないか』と考えてしまうんですよ」

ソフトバンクから獲得した有原の不調が示すこと

そんなソフトバンクから獲得した右腕・有原航平(33)の不調も、新庄監督の″誤算″だった。

「栗山英樹CBO(65)らフロント陣が主導して獲得しました。当初は巨人とデキているとの噂もあり、新庄監督は獲得を熱望していたわけではありませんが、『嬉しい誤算』とご機嫌な様子でした。2年連続で最多勝を獲得した右腕の加入という戦力の上積みだけでなく、ライバルの戦力を削(そ)ぐことができるからです。

ところが、ソフトバンクは有原の移籍をまったく意に介していなかった。’24年に2.36だった防御率は昨季3.03と急激に悪化しており、年齢を考えると改善される見込みは薄いと考えていたからです。また、有原は我が道を行く王様タイプで、チームの輪に溶け込もうとせず、扱いが難しい投手でした。だからこそ、『お好きにどうぞ』という姿勢だったのです」(パ・リーグ球団スコアラー)

そんなソフトバンクの読みは的中。有原は今季8試合に登板し、防御率は4.88、3勝6敗と、推定年俸5億円に見合う活躍ができていない。4月12日には、こんな″事件″も起こしていた。

「初回、一死満塁のピンチで、ソフトバンクの周東佑京(30)が放ったゴロを清宮がファンブル。すると有原は『捕れよ!』と怒鳴りつけたのです。大谷翔平(32)がパスボールをした若手捕手を厳しく叱責したケースもありますが、あれは信頼関係が構築されていたからこそ効果を発揮するもの。王様気質の投手が怒声を浴びせれば、ナインに過度の緊張が走ってしまいます。

有原は試合後、周囲に『俺が投げる試合でアイツを使わないでほしい』とコボし、さらに雰囲気を悪くしてしまった。清宮が打率.241と苦しんでいるのは、選手会長に就任したプレッシャーが原因か、あるいは有原の″雷″が原因か……」(球団関係者)

チームに走った緊張感が拭(ぬぐ)えないのか、日ハムは今季、12球団ワーストの60失策を記録。自慢の打線が火を噴いても、拙守で試合を落とすことも少なくない。

「3度にわたる守備のミスから10失点を喫し大敗した7月7日のロッテ戦後、新庄さんは『エラーの日本記録を出すんじゃない?』と吐き捨てた。ユーモラスな表現ではありますが、内心ではブチギレです。監督が守備に一家言あるだけに、谷内亮太内野守備走塁コーチ(35)、森本稀哲外野守備走塁コーチ(45)も『ヘタなことは教えられないし……』と頭を悩ませています」(前出・担当記者)

ディフェンスの綻(ほころ)びに比例するかのように、昨季2.53でリーグ2位だったチーム防御率は3.26で同3位に悪化している。有原の誤算だけでなく、昨年ローテを守った先発陣の不調も大きく、侍ジャパンメンバーとしてWBCを戦った伊藤は、8勝5敗ながら防御率が3.29と苦戦中。若手エースとして期待された達孝太(22)は3勝6敗、防御率3.21と不調で、一時はリリーフに配置転換された。

「そんななか、7月15日のソフトバンク戦で正捕手の田宮裕涼(ゆあ)(26)が左手中指を打撲。幸いにも長期離脱は回避できましたが、2番手捕手の進藤勇也(24)、そしてファームから昇格した清水優心(ゆうし)(30)がマスクを被る試合が増えた。

’23年、インプレー中にミットを外して失点を許し、新庄監督を激怒させたことが記憶に新しい清水を必要とするほどなので、捕手の手薄さも不安要素の一つです」(同前)

では、日ハムはどうすればソフトバンクを倒し、悲願の優勝を掴み取れるのか。前出の岩本氏は、投手陣の奮起を促す。

「ソフトバンクと戦った14試合のうち、実に12試合で右投手が先発している。ローテーションとの兼ね合いもあるため、簡単には言えませんが、もっと左を使ってみるのも一つの手です。

新庄監督に登板を直談判するようなアツい左腕が出てきて欲しい。今季10勝1敗、防御率2.70と躍動している加藤貴之(34)が『ソフトバンクに当ててください!』と言ってもいいし、何なら、防御率1.59と安定している堀瑞輝(28)が立候補すれば、頭から投げさせてもいいくらいです」

ただ、ソフトバンクに大差をつけられているとはいえ、オールスター後に逆転優勝を果たすチームも少なくない。

「逆転優勝へのカギは二つ。一つは日ハム打線に足りない左の長距離砲、つまり清宮の復活です。メンタルも不調に影響しているかもしれませんが、何より打席での重心の高さが気になる。高めのストレートを見せ球に、低めの変化球で打ち取られるケースが多発しています。もう一度地に足をつけ、粘り腰のバッティングを期待したいです。

二つ目は、田中正義(32)がもう一度抑えで輝くこと。シーズンが進むにつれ、経験豊富な正義の投球がチームを救うでしょう」(同前)

’22年の就任から、2年間の″解体作業″を経て、次の2年間で自身の野球をチームに浸透させた新庄監督。自ら「最終年」と宣言した5年目の今季、「打倒・ソフトバンク」を果たして″新庄マジック″のラストピースを埋めることができるか。

『FRIDAY』2026年8月7・14日合併号より