三笘も遠藤も怪我「みんな切り詰めとる」 極限の全員守備&攻撃…久保竜彦の敬意「外国人と1年間、俺らなら2、3試合で…」
日本―ブラジル戦ドラゴン解説第2回
サッカー北中米ワールドカップ(W杯)は29日(日本時間30日)、決勝トーナメント1回戦で日本がブラジルと対戦。1-2で逆転負けを喫し、32強で姿を消した。今大会、THE ANSWERで解説を務める元日本代表FW久保竜彦が東京・中目黒の編集部に来訪し、試合を分析した。全3回の第2回は森保ジャパン4年間の進歩。オランダと引き分け、ブラジルと接戦を演じた裏で、MF三笘薫、MF遠藤航、MF南野拓実らは故障で出場叶わず。自身が戦った20年前の時代と比較しながら、欧州で戦い、高い献身性を代表で体現する選手たちに敬意を込めた。(取材・文=THE ANSWER編集部・神原 英彰)
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選手たち泣いとったけど、(ここまで)並大抵のことやってないでしょ。
やっぱディフェンスからっていうことでね、チームのやり方が。こんだけディフェンスできるようになるんか、4年間で。本当に切り詰めてやってると思う。W杯にかけるあれ(情熱)が半端じゃないのは伝わってきたよね。
妥協してないよね。(普通は)妥協するけどね。(欧州で各国代表の)あの外国人とリーグ戦で1年間やるっていうのだけでも信じられんからね。俺らの時代なんか、2、3試合したら怪我させられて「ハイ、帰国」やから。
三笘も遠藤も怪我したし、冨安も間に合ったけど、怪我しとった。(どの選手も)怪我する、しないのギリギリのところまで行ってたと思う。じゃないと、こんな進歩せんよ。すごいよ、走る量が半端ないでしょ、日本。
この4年間で、どんな相手でも日本っぽさがなんか出てきたよね。今日も前半とかは本当にそうやったし。浮き足立つこともないし。繋ごうとして繋げるし。気の利いた選手が裏を突くじゃないけど、逆を取れるっていうか。
それで時間を作れるような選手が多くなってるけどね。(課題は)それが、どんだけ長くできるかなんやろな。伊東も疲れとったもんな。
佐野のゴールも、あの1点と違ったもんね。2006年(ドイツW杯)のブラジルの時に玉田が決めた1点と。やっぱもう選手の自力がね、違うし、自分たちのサッカーをできるし、実際やった。やっぱ強くなってるわと思ったよ。
突きつけられた現実 極限の全員守備&攻撃「大谷みたいなやつおらん、サッカーに」
でも、日本はパワーあるやつがディフェンスに回されとった。中村もそうやし。すごいノッてるやつが。
パワーがあるけん、ディフェンスもできるんだけど。でもディフェンスばっかりしてたら前では絶対きつい。誰もやってない。そんな守備も攻撃できて、大谷(翔平)みたいなやつなんておらんよ、サッカー。どこかで力抜かんとね、爆発できんもんね。
だってヴィニシウスでもサボるんじゃけ。守備してないやろ。だけん、あそこ(勝負所)でパワーで来る。
やっぱ日本は全員11人で守って、まとまって、スペース消して、というサッカーやから。ああだこうだ言っても(W杯で勝つには)あの戦い方やろね。上田も自分では何もできんかったと思ってるんかな。やっぱ守備に追われるし、難しい。しょうがないよね。
(攻撃で局面を打開できる)選手がおらんかったもんね。これで三笘とか久保とかおったら違ったかもしれんけど。1対1で仕掛けて。あの中村も疲れとったやろ。仕掛けるとこ1回もなかったもんね、守備に追われて。やっぱ負担が大きいよね。
(攻撃陣に故障者続出でサブを含め)やっぱ、幅というか厚みがね。いっぱいいっぱいやったね。これから、さらに(攻撃も守備もやり抜く)馬力をつけろって言うのは気が遠くなる。でも、日本はやるんやろね。やるやつがきっと出てくるよ。
4年後を考えるとアイツがレアルとかバルサとか行ってくれたら、日本も1個上に行けるような気がするよね。
この4試合で一番良かったもんね。
■久保 竜彦 / Tatsuhiko Kubo
1976年6月18日生まれ。福岡・筑前町。筑陽学園高を経て、1995年に広島加入。日本代表・森保一監督(当時選手)とは7年プレーした。2003年に横浜F・マリノスに移籍し、リーグ連覇に貢献。1998年に日本代表デビュー。ジーコジャパンとなった2003年以降は日本人離れした身体能力と強烈な左足でエースとして活躍したが、腰や膝など度重なる怪我により、2006年のW杯ドイツ大会は落選。以降、横浜FC、広島などを渡り歩き、2014年に引退。J1はリーグ戦通算276試合94得点。日本代表は国際Aマッチ通算32試合11得点。引退後は山口・光市に移り住み、コーヒー焙煎や塩作りなど、異色のセカンドキャリアを歩む。2024年2月、初孫が誕生。
(THE ANSWER編集部・神原 英彰 / Hideaki Kanbara)

