獣害対策四足歩行ロボットについて説明を聞く仲倉町長(左)(22日、福井県南越前町で)

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 【ふくい】鹿やイノシシによる農作物被害に悩む南越前町は22日、大阪経済大学と獣害対策に関する実証研究開発事業協定を締結した。人工知能(AI)を使い錯誤捕獲を減らすくくり罠や動物追い払いロボットの開発などを進め、効果を検証する。

 同町の基幹産業である農林業の獣害対策に、同大学のAIや情報学に関する専門知識や技術を活用することで継続的な産業振興につなげるのが目的。協定締結式は同町役場で行われ、仲倉典克町長と山本俊一郎学長が協定書にサインした。実証研究は同大情報社会学部の安彦智史准教授の研究室が担当する。来年3月まで。

 この研究では、固定化した機器や人力による防衛から「移動・自律・AIによる共生」への転換を目指している。3本柱の一つには、銃猟禁止エリアで対象の動物を捕獲するAIくくりわなの開発を挙げた。わなの近くに設置したカメラで鹿やイノシシ、熊などの映像を学習し、対象物以外の動物が現れても作動しないようにする。

 二つ目は2年前から町内のスキー場で実証試験を行っている移動型追い払いロボット「ウルフムーバー」の安定的な運用を検討する。遠隔操作や自律走行によって広い面積をカバーし、光や音、予測不能な動きで長期的な忌避効果を見込む。三つ目は二次開発可能な四足歩行ロボットを改良し、足場の悪い山際や不整地での追い払いを目指す。定点カメラの映像を基に、動物が侵入したら自走して追い払うようプログラミングする。

 仲倉町長は「獣害対策は農業を守るという観点に加え、近年では熊の出没も増えて人命や生活環境にも関わっている。町の自然や特産物を次代につなぐため大学の研究を生かしてほしい」とあいさつした。山本学長は「産官学が連携して新しい価値を生み出し、地域の社会課題の解決に貢献したい」と述べた。

 同町の昨年の農作物被害面積は約21ヘクタール。被害金額は約2800万円で、年々増加傾向という。

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