【阪神】佐藤輝明15号も届かず…「最後まで諦めない」単独キング弾に残った重い悔しさ
虎の4番が火をつけた反撃は、勝利の扉を開く寸前で止まった。阪神は3日の西武戦(甲子園)に2―3で敗れ、2連敗を喫した。昨季から続く西武戦の連敗は4に伸び、甲子園では5月26日の日本ハム戦から藤川球児監督(45)就任後ワーストの4連敗。交流戦は2勝5敗となり、この日、首位ヤクルトがロッテに1―0で勝ったため、ゲーム差は1・5に広がった。重い夜に唯一、甲子園の空気を変えたのが佐藤輝明内野手(27)の15号2ランだった。
3点を追う9回。先頭の森下が左翼フェンス直撃の三塁打で出塁すると、佐藤輝がカウント1―1からの3球目、西武の新守護神・岩城の147キロ直球を左翼ポール際へ運んだ。ともに並んでいた同僚の森下を引き離し、セ界本塁打王争いで単独トップに立つ15号。敗色濃厚だったスタンドを一瞬で沸騰させる、力と技術が詰まったアーチだった。
それでも主砲は試合後、浮かれなかった。「よかったです。最後まで諦めないように」。言葉は短かったが、4番の責任感がにじんだ。豪快な一発を放っても、勝たなければ喜び切れない。反撃はそこまでだった。
試合は投手戦だった。先発の大竹は2回、ネビンに先制10号ソロを浴びたものの、6回まで散発4安打1失点でゲームメーク。だが、打線は西武先発の渡辺を攻略できない。2回には佐藤輝が自己最長タイの14試合連続安打となる左前打を放つなど好機をつくったが、あと一本が出なかった。
流れを決定づけたのは7回の守りだ。二死一、三塁から長谷川の遊ゴロを小幡がファンブルし、さらに一塁へ悪送球。1プレー2失策で走者2人が生還した。0―1の最少ビハインドで踏みとどまりたい局面で、あまりにも痛い2点を失った。
8回も2死無走者から代打・嶋村の一塁内野安打、高寺の中前打で一、三塁と攻めながら無得点。佐藤輝が最後に意地を見せたからこそ、序盤の拙攻と7回の守乱が重く響いた。あの2点がなければ、9回の一発は同点弾になっていた。虎党のボルテージを上げた15号は、悔しさまで倍増させる一撃になった。
