日本郵便を巡る不祥事がまた発覚した。5月20日、日本郵便東京支社の元社員、米田伸之容疑者(37)が警視庁に逮捕された。事件の舞台は、郵便ポストから郵便物を回収する取集業務だ。

【画像】ポストや郵便局まわりが日常業務のハルキ社(同社HPより)

「容疑者は業務の外部発注を担当していました。2025年2月の入札の際に、都内の運送会社に受注させて、120万円分の見返りを受け取った加重収賄の疑いがあります」(捜査関係者)


日本郵便元社員(37)がおぼれたソープ接待の実態とは… ©︎NORIMA/イメージマート

板橋区の運送会社とズブズブに

 手口は巧妙だ。本来この業務は一般競争入札で委託先を決める。だが米田容疑者は事前に決める予定価格を予算の半値に設定。採算が取れない価格にすることで、あえて落札者が出ない“不落”にしていた。

「日本郵便の規定では2度不落になると、入札で最も予定価格に近かった業者と随意契約ができる。容疑者はそれを利用し、事前に予定価格を伝えた特定の業者と本来の予算上限に近い額で契約していました」(同前)

 随意契約をしていた業者は、板橋区の運送会社ハルキエクスプレス。その額は25年度分だけで計1億8400万円に及ぶ。委託は4年間続くため、総額7億円以上になる計算だ。

「ハルキ社は軽自動車での運送を主業務にしていますが、実際は日本郵便の仕事が殆ど。受注は死活問題で数百万円の賄賂で済むなら安いもの」(社会部記者)

 その賄賂が“ディズニー豪遊”だった。

男がおぼれた賄賂の実態

 120万円には、東京ディズニーシーのVIPツアー66万円や遊ぶための現金10万円、併設のホテル代が含まれた。加えて、これとは別の強烈な接待に溺れていたという。

「数カ月に一度、吉原のソープランドや高級すき焼き店での饗応が常態化していました。ソープには10回以上通い、年末には歳暮として松阪牛が届けられていたそうです」(同前)

 米田容疑者は逮捕前の段階で「違法と分かっていた」と話しているが、接待を5年以上前から受けていた。ハルキ社は前回、同じ業務を1億3500万円で受注している。米田容疑者は4900万円の増額を、自身の裁量で決めていた。

「取り入りたい業者は山ほどいます。同じ手口で随意契約をしていた業者は10社近くあり、余罪の可能性も指摘されている」(同前)

 米田容疑者の下では予算上限の随契が乱発され、25年2月実施分だけで14億円に上った。前回4年前からの増額分は3億円以上。稟議には不自然な予定価格や契約額が書かれていたが、社内では上司の誰も見抜けなかった。近年、日本郵便は下請け業者との不適切な関係を再三指摘されてきたが、内部のチェック機能は相変わらず甘い。

 事件を受け、幹部は会見で「今回の事態を真摯に受け止め、適切な再発防止策を講じます」と言った。この1年、幾度となく使い回されている台詞だった。

(「週刊文春」編集部/週刊文春 2026年6月4日号)