旧ジャニーズタレントが異例の少なさ…視聴率低調も玄人が唸る「見るべき春ドラマ」秘話&データ公開!

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隠れた名作ばかり

「年度が替わり、新社会人らの新たな視聴習慣を取りに行く4月期は力作が並ぶことが多いのですが、今春は大きな注目を集める作品がない。雰囲気として″ドラマが盛り上がっている″感がなく、ライトユーザーが取り込めていない印象です」(ドラマウォッチャーの川田美尋氏)

4月終了時点で視聴率を二桁取った作品もなければ、配信で平均再生回数が200万回を超えた作品も一本もなし。春ドラマの低調ぶりが話題だ。

「1万円札に火をつけて笑みを浮かべる細木数子--こと、戸田恵梨香(37)はインパクト絶大。制作費の掛け方や宣伝費など、地上波をはるかに超えてしまっている」(民放編成担当)

「限られた時間というリソースを『地獄に堕ちるわよ』に割きたい層の存在が、今クールの低調のウラにあると見ています」(キー局プロデューサー)

多くのテレビマンたちが『地獄に堕ちるわよ』(Netflix)という逆風を原因に挙げるなか、放送作家の愛田プリン氏は「これだけ旧ジャニーズタレントが少ないクールも珍しい」と付け加えた。

「春ドラマの主演キャストが全体的に地味で、話題の人や旬なスターが不足していたことも大きいと思います。″この人が主演なら絶対見る″というキャストの少なさは初動に直結しますから」

配信オリジナルドラマの普及で全話″イッキ見する″習慣がついた視聴者にとって、リアルタイム視聴に価値が見出せないことも地上波連ドラには逆風だったが、「キャストは地味ではありますが、実力派揃い。隠れた良作品が多くて、むしろ今クールは豊作だと感じています」(川田氏)という声も実は少なくない。

たとえば、ライターの大山くまお氏は『銀河の一票』(フジテレビ系)が「出色の出来」だと激賞する。

「政界を追い出された秘書が、スナックのママを擁立して都知事選に挑むというストーリーですが、キワモノ感はゼロ。『きれい事じゃないよ。″きれいなこと″だよ』『きれいなことを諦めないって一番強いよ』というセリフがクサく聞こえず、沁みるのは″良作にこの人あり″と言われている野呂佳代(42)だからこそ」

現代日本から消え失せた″きれい事″をちゃんとやろうとする黒木華はる・36)と野呂の姿に「毎回、泣かされています」(川田氏)という視聴者が続出している。

「野呂が演じるだけでどの役もリアリティが格段に増す。すでにドラマに欠かせぬ存在で、彼女が主演を務めるのも時間の問題でしょう」(制作会社幹部)

演技派俳優が魅せる

第2話でコア視聴率(13〜49歳男女の視聴率)が異例の上昇を見せるなど、若い視聴者たちの心を掴んだ『田鎖(たぐさり)ブラザーズ』(TBS系)も、ウォッチャーたちから絶賛されている。

「時効を迎えた両親殺害事件の真相を警察官になった兄弟が追う、という設定だけでもかなり引きがあります。しかも、兄弟を演じるのは演技派の岡田将生(まさき)(36)と染谷将太(33)。考え方や感情の出し方が兄弟で違い、それが事件の捜査にも影響していく。

キャラクターを見る楽しさとミステリーを追う楽しさが両立しています。単なる刑事ドラマではなく、家族愛、復讐、正義、時効、兄弟の関係性といった複数のテーマが重なっているのも強み。脇を固める岸谷五朗(61)や井川遥(49)の存在感も大きい。誰もが何かを隠していて、善人に見える人物ほど怪しく見えてくる」(愛田氏)

プロデューサーは『MIU404』や『アンナチュラル』(どちらもTBS系)を手がけた、クライムサスペンスに定評のある新井順子氏。メイン演出は『九条の大罪』(Netflix)で活躍した山本剛義氏で、撮影監督は映画照明で日本アカデミー賞を何度も受賞している宗賢次郎氏が担当しており、「演出も映像も質の高さを感じます」と川田氏は言う。

「毎話、最終盤に驚きの展開を用意しているのが見事。SNSでは毎話『ラスト5分の衝撃!』と盛り上がっています。個人的には前クールの日曜劇場『リブート』(TBS系)と遜色ない″考察作品″として見ています。重いテーマのなか、ひたすら明るい新人刑事を『Travis Japan』の宮近海斗(28)が演じるなど緩急がついているのもいい」

その『リブート』をある種、恨めしく見ているのがテレビ朝日の社員だ。

「『リボーン 〜最後のヒーロー〜』はタイミングが残念すぎました。タイトルや一人二役設定など″ウソだろ?″ってくらい、『リブート』と被ってしまっている。制作発表会見で『間違えないようにしなきゃ』と自分に言い聞かせている芸能記者がいましたよ(笑)。

再生と再起動、ともに殺人事件が重要な軸でミステリー要素があり、しかも主役は40代の俳優……。ハンデを負ってのスタートとなりましたが、TVerランキングは第1〜5話で全体1位を獲得。5話目までの見逃し配信再生数は累計1000万回を突破するなど健闘しています!」

大山氏の評価も高い。

「アニメやライトノベルでよくある″転生″を導入した作品で、主人公はビジネスの経験と過去の記憶を活用してさびれた商店街を盛り上げていくのですが、その″チート具合″がいい感じでニヤニヤ笑いながら見られます。いつも戸惑っている高橋一生(45)の演技もチャーミング。ここから先、チート能力をどう世の中のため、人々のために正しく使っていくのかが見どころです」

『FRIDAY』2026年6月5・12日合併号より