【悠仁さまのSP「重責を担う日々」】“隣室に常駐”する警護担当に求められる条件とは? 皇族のひとり暮らしの警護はほぼ前例なし、茨城県警と皇宮警察の手探りの日々
筑波大学での学生生活も2年目となっている秋篠宮家の長男・悠仁さま。学業と公務を両立すべく、東京とつくば市内での2拠点生活を送っている。そんな悠仁さまの活動を支えるべく、皇宮警察や各県警の警護担当たちが重責を担う日々は続いている。【前後編の前編】
【写真】北海道留寿都村で紀子さまとともにスキーをされる悠仁さま。子どもたちとかるたで交流する様子なども
悠仁さまがひとり暮らしをされる部屋の隣室にSPが常駐
「将来の天皇」である悠仁さまの警護には当然ながら細心の注意が払われるが、その警備体制をめぐっては最近になって物議をかもすこともあった。『週刊文春』4月2日号では、つくば市内を運転中の悠仁さまが護衛車に気付き、「過剰な警護はやめて」と苦言を呈したとする皇宮警察関係者の証言が報じられた。
警備体制をめぐる関係者の苦労はそれ以前からあったものだ。悠仁さまが筑波大学に入学する直前の昨年3月28日、宮内庁は悠仁さまが大学近くの住宅の一室を借りたと発表。2拠点生活は片道1時間半の通学の負担を減らすためとされるが、その警備について関係者の間では話題になったという。
「悠仁さまがひとり暮らしをされる部屋の隣室にはSPが常駐します。交代制とはいえ、半ばそこで生活をするので負担は小さくない。常駐するSPの条件としても、万が一にも知人や彼女といったプライベートの出入りが生じないように若い独身者よりも既婚者の"単身赴任"の入居のほうが望ましいのでは、といった話があったようです。
皇室の警護をする皇宮警察の護衛官(側衛官)は、全国の警察組織のなかでも非常に少ない人数で構成されているので、そのうえさらに条件まで絞るとなると苦労は増すことでしょう」(警備関係者)
皇族の警護は、側衛官がそばに付き添い、その周辺を都道府県警察の警備担当者が警護するが、「国内の大学近くでの皇族のひとり暮らしの警護は前例がほとんどない。それだけに、皇宮警察と茨城県警が連携しながら全力で警備にあたっていると考えられます」と語るのは警視庁SATの元隊員で危機管理アドバイザーの伊藤鋼一氏だ。
皇族がひとり暮らしをする機会といえば、これまで海外留学の時くらいだった。皇室ジャーナリストはこう言う。
「悠仁さまの姉・佳子さまはICU(国際基督教大)在学中の2017年9月から約9か月、英リーズ大に留学。同じく英国に2度留学した姉の小室眞子さん同様、学生寮で他の留学生と共同生活を送りました。しかし、留学中の外出時に警護が常についたわけではなく、寮の部屋の隣を借り上げてSPが常駐していたわけでもないようです。
ただし、眞子さんや佳子さまは皇位継承権をお持ちでないため、自由な生活を送ることができたと考えられます。皇位継承順位2位の悠仁さまのひとり暮らしとなれば、警護は同じようにはいかないでしょう」
天皇陛下のオックスフォード大学留学での警護
一番近しいケースだと考えられるのが、今上天皇が皇太子時代の1983〜1985年にオックスフォード大学へ留学した際の警護だ。元警視庁警備部警護課SPで、首相などの身辺警護を務めた経験を持つ伊藤隆太氏が言う。
「警察は外国では主権の関係で警備活動が限定的にしかできないため、日本大使館に一等書記官として出向する警察官僚が外交官の立場で護衛にあたります。一方、日常的な警護については、ロンドン警視庁の警備部門が担いました」
オックスフォード留学中、天皇は寄宿舎でひとり暮らしを経験したが、その隣室にはロンドン警視庁の警護官2人が1週間交代で寝泊まりし、任務にあたったという。天皇は著書『テムズとともに』(紀伊國屋書店)で警護官の1人が研究資料の解読に付き合ってくれたエピソードを明かしており、彼らとの交流の深さが窺える。
「ただし、ロンドン警視庁には王室関連の警護を担う専門部署があり、他国の王族が留学でひとり暮らしをする場合の警護についても豊富なノウハウを有している。一方、つくば市内でひとり暮らしをされる悠仁さまの警護については、茨城県警と皇宮警察双方が手探りで対応せざるを得ない状況が垣間見えます」(前出・皇室ジャーナリスト)
(後編へ続く)
※週刊ポスト2026年5月29日号
