福岡県警は4月16日、違法な大麻由来成分「THC」を含むサプリメント密輸入に関与したとして、サントリーホールディングス(HD)元会長の新浪剛史氏(67)を、麻薬取締法違反(輸入)の疑いで福岡地検に書類送検した。米国在住の新浪氏の知人女性も同容疑で書類送検した。新浪氏は調べに対し、容疑を否認しているという。

【画像】週刊文春の取材に応じる新浪氏(67)


経済財政諮問会議のメンバーでもあった

 発端は2025年8月上旬、知人女性が福岡に住む弟に送ったTHCを含むサプリを、門司税関が押収したことだった。

「県警はコントロールド・デリバリー(泳がせ捜査)を実施し、知人女性の弟を麻薬特例法違反容疑で逮捕。弟が姉から頼まれて新浪氏に送る予定だったと説明した。違法成分の有無は不明ですが、過去にも弟からサプリが新浪氏に送られていたことも判明。8月22日に新浪氏の自宅を家宅捜索した」(捜査関係者)

サントリーHD会長職は辞任したが…

 ただ、自宅から違法なサプリは見つからず、尿検査でも陽性反応は出なかった。弟も処分保留で釈放された。新浪氏も昨年9月の会見で「国内で所持も使用もしていない。輸入も指示していない」と説明したが、疑惑の影響は甚大だった。

 9月1日、サントリーHD会長職を辞任。経済同友会の代表幹事職については、一旦は進退を同友会に委ねたが、同友会が処遇を巡って混乱したため、結局、新浪氏自ら辞任を申し出ることとなった。

「公益財団法人『日本生産性本部』の理事や、一般財団法人『2028年技能五輪国際大会日本組織委員会』理事の職も昨年退任しています」(財界関係者)

新浪氏がまだ続けている役職

 以来、表舞台から姿を消した新浪氏だが、まだ続けている役職が幾つかある。1つはオンラインでの仕事のマッチングサイトなどを運営するIT企業・クラウドワークスの社外取締役だ。

「新浪氏は、同社の吉田浩一郎社長と、オイシックス・ラ・大地の郄島宏平社長らとの勉強会で知り合って意気投合した。21年に社外取に就任し、いまも同職にあります」(同前)

 そのほか、絶滅の危機にある野生生物の保護などを目的としたエコロジー・カフェなど、2つの一般社団法人の理事も務めている。さらにこんな役職も……。

「国際協力銀行のコーポレート・ガバナンスについての経営諮問・評価委員会の委員です。同行の前田匡史会長とは経済同友会などで一緒に仕事をした仲。日本政府が100%出資する政府系金融機関で、かつガバナンスに関する役職ということで、新浪氏の残留が金融業界で話題になっている」(金融関係者)

 今回、福岡県警が書類送検した同日、門司税関は新浪氏と知人女性を、関税法違反(禁制品輸入)の疑いで福岡地検に告発した。新浪氏の本格復帰は、いつになるのか。

(「週刊文春」編集部/週刊文春 2026年4月30日号)