3夜連続カーニバル三昧!「W杯に向けてとても参考になった」”ブラジル化”が進む名将アンチェロッティに高まる期待【現地発】
「自分はセレソンの監督として、この国の文化を良く理解する必要がある。チームを率いてワールドカップに向けて、とても参考になった」
ブラジル代表を率いるカルロ・アンチェロッティ監督が、こう語った。
2月13日夜から17日にかけて、ブラジル各地でカーニバルが開催された。66歳のイタリア人指揮官は、13日夜に北東部サルバドール、14日夜にサンパウロ、15日夜にリオと3夜連続でカーニバルを堪能し、フットボールの国の“もうひとつの顔”を、その目で確かめた。
カーニバルの語源は、「肉に別れを告げる」に由来する。キリスト教の四旬節(復活祭前の40日間)に肉食が制限されたことから、その直前に大いに飲食し、羽目を外す風習が生まれた。11世紀以降にヨーロッパ各地で祝祭として定着し、16世紀初頭にブラジルへ伝来。欧州の舞踏音楽と、アフリカから奴隷として連れて来られた人々がもたらした打楽器とダンス(これがサンバに発展)が融合。大きなこと、派手なことを好む国民性を反映して、独自の発展を遂げた。
ブラジル各地で様々なスタイルのカーニバルが行なわれているが、最も有名なリオのカーニバルでは12万人を収容する専用会場(サンバドロモ)で、5000人前後からなるグループが豪奢にして奇抜な山車をこれでもか、これでもかと繰り出し、ダンサーたちが派手な衣装をまとって1時間余り歌い踊る。夜から未明にかけて4グループが出演し、観衆もやはり歌い踊りながら楽しむ。これが3夜続く。
視覚的な印象が強烈であることに加え、大音響で延々と繰り広げられる演奏と歌には大変な迫力がある。サンバを踊ったことがない人でも、自然に身体が揺れてくる。
66歳のアンチェロッティ監督は、3都市で行なわれたカーニバルを存分に楽しんだ。会場ではロナウドなど往年の名手らと遭遇。またブラジル国民からは「是が非でもワールドカップで優勝してくれ」という嘆願も受けた。
昨年5月末にレアル・マドリーを退団してセレソンの監督に就任。2026年ワールドカップ南米予選で低迷していたセレソンを守備から立て直し、本大会出場権をもたらした。その後の強化試合で日本に逆転負けを喫したとはいえ、地元メディアと国民の信頼は揺るがない。
端的に言えば、ブラジルはフットボールとカーニバル(サンバ)の国だ。ブラジル文化の真髄を理解したアンチェロッティが率いるセレソンが、3月の強化試合(26日のフランス戦と31日のクロアチア戦)でいかなるプレーを見せ、6月11日に開幕するワールドカップに臨むのか――。
ポルトガル語を習得し、さらにカーニバルを体感してますます“ブラジル化”が進むアンチェロッティ。そんな名将が率いるセレソンに、国民の期待はさらに高まっている。
文●沢田啓明
【著者プロフィール】
1986年にブラジル・サンパウロへ移り住み、以後、ブラジルと南米のフットボールを追い続けている。日本のフットボール専門誌、スポーツ紙、一般紙、ウェブサイトなどに寄稿しており、著書に『マラカナンの悲劇』、『情熱のブラジルサッカー』などがある。1955年、山口県出身。
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