「いっしょに会食することは、人類の太古の記憶につながるよろこび。」と題された動画で、脳科学者・茂木健一郎氏が、みんなで食事を共にすることの根源的な意味について語った。

茂木氏は冒頭、「大人数でご飯を食べるのは、すごく楽しいじゃないですか。それは、なんで楽しいのかなと言うと、我々の人間の起源、歴史に遡ろうとすると思うんですよ」と切り出し、会食の楽しさの源は太古にさかのぼると分析。その理由について、「狩りをした時に獲物を一人では食べきれない。みんなで食べようかと言って分けてあげる。そのことによって、狩りをした人たちは周りから認められて、他の人はご相伴に預かるみたいなことがあった」と述懐し、食事の分かち合いこそ人間社会の根幹だったと指摘した。

また、「それぞれが持ってきた食材を集めると美味しいじゃない。それで、みんなで分かち合うという、お互い助け合うという意味合いもあったろうし」と語り、異なる役割や地域からもたらされる多様な食材の融合が、助け合い精神の象徴であることを強調。さらに、アメリカ・サンディエゴに滞在中だという茂木氏は、「ネイティブアメリカの方々は、ポトラッチという宴会を開いて、それがお互いの仲間の象徴だったり、仲をよくするための智慧だった。」と、世界各地の食文化にも触れた。

そして、「結局、お互い、そうやって助け合ってるってことの象徴なんだよね。会食するってことは」と再提起し、「雑談がまた重要で、やっぱり人生で一番楽しいことだったりするんだよね。ご飯食べながら雑談するっていうのは」と、食事を介したコミュニケーションの大切さにも言及。「やっぱり、一緒にご飯食べるっていうのは、とてもいいことだなと思いますね」と述べた。

さらに、会食の背景には料理人やサーバー、食材を生産・運搬する人々、食器やレストランのインテリアを作る人々など、多くの「協力」があることに触れ、「本当に会食するっていうのは、人類にとっては協力し合うっていう精神の象徴なんでね」と締めくくった。

茂木氏は最後に「みんなで仲良くご飯を食べられるっていうのが、僕は、人類にとっては幸せで平和なことではないかなと思います」とメッセージ。会食が人間にもたらす深い意味と、社会にとっての価値を改めて呼びかける締めくくりとなった。

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